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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン67 覇王達の戦い(前)
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ぎたらしく混乱するオブライエン。まあそりゃそうだ、僕の方は三沢から聞いた話や覇王戦で聞いたジムの名前やらでオブライエンがこの世界に来ていることは知っていたけれど、オブライエンからしてみれば砂漠の異世界で勝手に行方不明になったはずの僕が、こんなわけのわからない場所でいきなり空中から生えてきたわけだから、ねえ。立場が逆なら僕だって自分の頭がおかしくなったのかと思うはずだ。
 だからじっくり説明してあげたいところだけど、あいにくそんな暇はない。ここは覇王城、いつ何時悪魔どもに気づかれるかわかったものではないからだ。それにわざわざこんなところに居るところを見ると、どうせオブライエンも目的は僕と同じだろう。

「色々言いたいことはあるだろうけど、全部後で説明するよ。それよりオブライエン、僕と手を組まない?」
「どういう意味だ?」
「そのままの意味さ。正直タイマンだと厳しいけど、2人がかりなら覇王だって……!」
「……いいだろう。お前を信用しよう。そのかわり、後でちゃんと説明はしてくれよ」
「わかってるって、飲み込みが早くて助かるよ。んじゃこれ、軽くでいいから目を通しといて。ちょっとわけありで、だいぶデッキパターン変わったからさ」

 オブライエンが知っている僕のデッキには、まだ壊獣のカードが入っていないはずだ。流石に初見のデッキでタッグをさせるのは厳しいだろうと、デッキを取り出して放り投げる。オブライエンが空中でキャッチしたそれに素早く目を通し、何か聞きたそうなのを堪えて僕に返す。そして自身のデッキをおもむろに取り出し、何枚かカードを入れ替え始めた。何を思いついたのかは知らないが、まあいいだろう。改めて受け取った僕のデッキを握り、目の前の扉を開け放つ。

「さて……改めて、覚悟しな覇王。地獄の底から帰ってきてやったんだ、とっとと出てきて相手しな!」

 窓から外を見下ろしていた、忘れもしない鎧姿のあの男。奴が僕の声に反応し、ゆっくりと振り返る。

「侵入者と聞いて何かと思えば、貴様らか。臆病者と負け犬が示し合わせて寄り添って、その程度の浅知恵でこの覇王に敵うとでも思ったのか?」

 負け犬というのはまあ、認めたくはないけど僕のことだろう。オブライエンが臆病者扱いされるあたり、僕が見ていないうちに何があったのか知りたいところだけど、それこそ後でいくらでも聞けばいい。オブライエンが銃型のデュエルディスクを目にも止まらぬスピードの慣れた手つきで早抜きし、僕も腕輪のスイッチを起動して水の膜を放出させる。限界まで水が溜まったこの状態でどれだけ持つのかはよくわからないが、ここで出し惜しみはあり得ない。僕らの目を見て何を読み取ったのか、それ以上挑発してくることもなく覇王も円盤状デュエルディスクを回転、そして展開させた。

「いいだろう、2人まと
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