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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
66 崩れた仮面
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ってんだ?何がおかしい?」
「もう……」
「ハッ?」

「もう…何もかもうんざりだ!!」

彩斗は何かが振り切れたように大声を発してターンすると、真後ろに立っていた不良を殴りつけた。
拳を通じて相手の骨が砕ける感触が伝わってくる。
その場にいた誰もが予想していなかった行動だった。
普段の彩斗を知る者なら、誰も彩斗が大声を上げて、自分から暴力を奮う光景など想像できなかったからだ。
同時にそれが狼煙となる。
周囲を取り囲んでいた不良たちが一斉に彩斗に襲い掛かった。

「サイトくん!!」
「兄さん!!」
「沢城くん!!」

彩斗は初撃をかわすと、時計から引き抜いた麻酔針付きのヘリウムエスケープバルブを首めがけて突き刺す。

「ヤッ!!」
「ウォッ!!」
「死ね!!」
「うっ!?」

しかし引き抜く際にできた僅かな隙に強烈な右ストレートが頬を直撃した。
相手は不良ぶっただけの素人だ。
だが素人だからこそ、加減というものが分からない。
遊び半分のつもりでも、それが子供の喧嘩の恐ろしいところだった。
しかし次の瞬間には彩斗から痛みは消えていた。
例によって脳内ではエンドルフィンを筆頭に大量の脳内麻薬が分泌されている。
それが痛覚を奪い、彩斗を怪物へと変えていた。

「ヤァ!!!」

隙を見せずに腹部に蹴りを入れる。
相手は地面と平行に後方の柱へと押し飛ばされた。
しかしその光景は誰から見ても異常だった。
普通に蹴られて飛ばされるレベルの距離ではない上、口からは尋常ではない量を吐き出している。
恐らく内臓が破裂し、骨の一部もやられている。

「おいおい、嘘だろ……」

痛覚を失ったことで彩斗自身も加減というものを忘れていた。
素人の喧嘩という低レベルなものではない。
完全に相手の生命を奪うための暴力だ。
これまでの数撃だけでも彩斗の異常性を察した残りの5人は彩斗と距離を取った。

「ウゥゥ…ウゥゥ…!!」

しかも彩斗は今朝方、変身したばかりだ。
まだ、その強大な力は身体に残存している。
体格や数の面で彩斗には大きなハンデがあるものの、並の人間では到底太刀打ちできない。

「オイ!殺れ!!」

一瞬だけ場が膠着したが、誰からともなく再び彩斗に襲い掛かる。
しかも今度はナイフを構えている。
だが、その隙にメリーも動き出した。
自分たちを捉えていた不良も予想もしなかった彩斗の反撃に対し、加勢するべく動いたことで、自分たちから注意が逸れた。

「キャッ!」
「アイリスさん、下がって!」
「オイ!何して…」
「ハッ!」

すぐさまアイリスの前に半ば突き飛ばすような形で立ち、アイリスの安全を確保する。
そしてローキックを食らわせた。

「クッ!クソ
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