S-4 宝具/死闘
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に鱗で覆われ、止血された。
だが数ヶ所鱗で覆われない箇所があることが分かった。そこは黒髪のセイバーが黄色の短槍で貫いた所だった。
『ナンダ コレ オレ 』
ファヴニールが困惑する。今まで鱗で覆い、治癒された身体が治癒されなかった。その動揺が動きを止めた。
ジークフリートはそうなることが分かっていた。予測できていた。黒髪のセイバーの真名から黄色の短槍の効果を把握し、自身の攻撃力を以てその箇所を的確に斬り裂いた。その結果、ファヴニールの身体は数ヶ所斬られてまま鱗による止血と治癒が不可能になった。
「これで終わりだ。ファヴニール」
ジークフリートが生前の宿敵の名を告げる。剣を両手で持ち、尖端は青空へと向いている。
宝具を使うと言うことは見るだけで分かる。だがセイバーの魔力に変化は現れない、オレの身体から魔力が送られている感覚はあるが先程の真名披露よりも量自体は少ない。
「『幻想────
剣を短く振りかぶる。剣は一瞬で青白く発光し────
大剣────!』」
短い「タメ」から振り下ろされた剣から放たれた衝撃波は半円状に拡がり、黄昏の剣気が視界一杯に広がった。
「……すげぇ」
ほぼ一瞬の出来事。魔力の高ぶりは確かにあった。だがそれもあの威力を出すほどではない。なら何処から?その答えは直ぐに分かった。剣からだ、剣自体が相応の魔力を秘めていて宝具を発動するタイミングで解放、あの攻撃を可能にした。
データで見たサーヴァントの宝具と同等の威力、だがそれに対して消費される魔力が少ない。
ジークフリートを境界として前に広がっていた林は木一本も残しておらず、生い茂っていた雑草も綺麗に消失していた。
「気を抜くな、マスター」
ジークフリートが砂埃舞うフィールドを見据えながらそう言う。オレは目を凝らしジークフリートと同じ方向を見る。
『Guruaaaaaaaaaaaa!!!!!』
咆哮と共に再度起き上がる敵。その身体はあちこちから血を流し、左腕は根本から吹き飛んでいた。
敵は息を吸い、口から炎を吐き出す。その業炎は確実にジークフリートを捉え、燃やし尽くそうとしていた。
「ぐっ……!」
ジークフリートがそんな苦痛の声を漏らす。炎は先程までのものとは違い、火力が桁違いだった。防御を貫通する痛み、炎による身体が焼ける感覚、息の出来ない苦しさがあり今までの攻撃よりも効果的だった。
しかしそんな敵の優勢も数秒で終わりを告げる。ジークフリートが剣を横一文字に薙ぐだけで身を包んでいた炎は消えた。ジークフリートの身体は煙を出し、見るからに酷い火傷を負っている。だが姿勢はなんの変化もなく、依然としてファヴニールを倒そ
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