S-4 宝具/死闘
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ランクを保有している。
『オレ チカラ ウバッタナ』
その言葉から敵の予想される真名とジークフリートの逸話からその意味は簡単に察せた。
ファヴニールを倒したジークフリートは先程も述べていた通り「菩提樹の葉が張り付いていた背中以外の全身にファヴニールの血を浴び、雫を飲み不死身になった」とされている。それが鱗のセイバー──ファヴニールの言う「力」だろう。
「…………」
敵の声にジークフリートは何も答えない。
ジークフリートの肉体は絶えず繰り返される敵の刺突を全く通さず、肉を刺すような音は全く聞こえてこない。攻撃を全くしていないはずのジークフリートの方が圧しているように錯覚する。
「…………」
ジークフリートは依然として何も言葉を発しない。剣の腹で刺突を弾き、反応が遅れるものは無理せず受ける。痕が残るだけで血は流れず、傷も出来ない。
敵は手から炎を噴出させる攻撃も交え何度も何度も刺突を繰り返すが効果は見えない。炎が弱まり、刺突も段々と遅くなり、隙が見えはじめる。その隙をジークフリートが見逃すわけが無かった。がら空きになった脇腹に下段からの斬り上げを放つ。
『Gruaaaaaaaaaaaa!!!??』
先程までは少しは理性を保っていたであろう敵の理性を微塵も感じない大地を揺るがすほどの咆哮。攻撃が意味を為さない事に苛立ち、強力なカウンターを喰らった痛み、それらを抑えきることが出来なくなったのだろう。鮮血を撒き散らしながら敵はなおも吠え続ける。
斬り裂かれれた身体に鱗が即座に覆い、止血する。次の瞬間鱗が剥がれ、痕はあるものの完全に塞がっていた。
『Gaaaaaaaaa!!!』
またも視界から消え失せる程の超スピードを披露する。オレの眼では捉えることなど出来るはずもなく、どの方向に行ったかを数テンポ遅れて確認することだけでも精一杯だ。
その方向から推測をする。──もしかしたらマスターであるオレを狙っているかもしれない。
「……だけど、不安や心配なんてのは要らねぇな」
目の前では何方向からも飛んでくる敵をジークフリートは的確に対処していく。一回だけ敵がオレの元へ飛んできたがジークフリートがそれを身を呈して防ぐ。腹で受けたためかジークフリートは少し声を漏らすが傷を負ったようには見えない。
セイバーは身体を最低限反転させ、剣で弾く、斬る、突く、一拍置いて、ステップで回避、そして生身で受ける。敵は先程と同じように何十、何百もの攻撃は徐々に速度を落としていき、同じく隙が出来はじめた。
多方向からの攻撃が止む。立っているのは一人、先程とは変わって傷は出来ているように見えるが血は流れていない。もう一人はドス黒い血を身体から流し、身を屈めている。しかしその傷は先程と同じよう
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