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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
S t o r y 1 1 ルギアル・シークティウス
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ルドに入ったばかりだもんね。」
「エメラ……?」

ハッピーの言葉にルギアルは首を傾げると、グレイがエメラを指さして説明をする。

「コイツは記憶を無くしてて、その記憶を探すために、というか思い出すために、というか……まぁ、とにかく!今はエメラルド・スズランっていう仮の名前でギルドで過ごしてるんだ。」
「へぇ……記憶を……」
「?」

エメラのことを聞いたルギアルの妙な反応にグレイは違和感を覚えたが、それを掻き消すようにエメラがルギアルの方に身を乗り出した。

「あ、あの!些細なことでもいいんです!私のことについて何かわかったら、教えてくれませんか!」

翠玉(エメラルド)のような大きな瞳で、エメラはルギアルを見つめた。ルギアルはぱちくりと瞬きをしてからニコリと微笑んだ。

「わかりました。何かわかれば、すぐに伝えることを約束します。」
「あ、ありがとうございます!」

ルギアルの言葉に、エメラは満面の笑みを浮かべて頭を下げた。

「………。」

その様子をバンリは離れたところで黙って見つめていた。すると、ふいにルギアルがバンリの方に視線を向けた。いきなりのことでバンリはほんの僅かに紅玉(ルビー)のような瞳を見開いた。
ルギアルはバンリと目が合うと会釈をしただけですぐに顔を逸らした。だが、バンリは嫌な予感を覚えた。

(評議員……勘付かれたか……?)

バンリはまた少し痛み始めた左目を押さえた。

「あ、もしかして……君がナツ・ドラグニル?」
「ア?」
「あい!如何にも、ナツです!」

ぶっきらぼうに答えるナツの代わりに、なぜかハッピーが自信満々に答える。

「へぇ、君が……」
「な、なんだなんだァ?」

ルギアルは今度はナツに顔を近づけると、ナツのことを上から下まで品定めをするかのようにじっくりと見る。

「……いや、君が評議院で一番問題視されている、火竜(サラマンダー)なんだな〜、って思って。」
「だーーーーーッ!どいつもコイツも俺のことバカにしやがって!だいたい俺がいつそんな問題起こしたっていうんだよ!?」
「建物とか森とか港とか、いろいろ破壊しまっくてるだろ。」
「あい。ナツの自業自得だね。」

ルギアルの言葉にナツは声を荒げ、ナツの問いにエルザが眉間にしわを浮かべながら答え、ハッピーがエルザに相づちを打つ。

「ところであの、部下の皆さん、来ませんね?」
「はい。手錠をして連行するだけでそんなに手間取るはずがないんですが……。やっぱりあの二人がいないとまだまだダメみたいだな。」
「あの二人?」

ルーシィが屋敷の入り口に視線を移しながら言い、肩を竦めるルギアルの言葉にイブキが首を傾げながら問うた。

「俺の隊に所属する部下のことです。その
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