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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
S t o r y 1 1 ルギアル・シークティウス
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げる道をどんどん塞いでいく。
「あ、キャッ!」
「ウェンディ!」
あろうことか、ウェンディが茎につまづいてその場に転んでしまった。起き上がる暇もなく、すぐ後ろに棘の生えた茎がウェンディの細い右足首を絡めとり、すぐさま左足首も絡めとると、ウェンディを持ち上げるように茎がどんどん天井に向かって伸び始めた。そしてあっという間に両腕と胴体も絡めとられてしまった。
「まずひっとり〜♪」
「ウェンディ!」
モカが嬉しそうに体を揺すり、シャルルが腕を伸ばして叫ぶ。
「くそッ!あのバカッ!」
「え?ちょ、イブキ!そんなに近づいたらアンタまで……!」
「イブキさん!来ちゃダメです!」
悔しそうに顔を歪め、唇を噛み締めながらイブキはウェンディに向かって駆け出した。シャルルとウェンディが止めようとしたが、その声も一切耳に入っていないようだ。
そしてウェンディを絡めとっている茎の真下にまで来ると、イブキはその場を小さく蹴り、高く跳躍した。それと同時に、イブキの姿は、黄土色の角も鋼色をした皮膚もボロボロの黒衣も無く、代わりに鋭く尖った紅い角とゴツゴツした紅色の皮膚をした鬼の姿に変わっていた。
「な…何、アレ……」
突如現した謎の紅色の鬼の姿にモカは困惑する。それに見向きもせずに紅色の鬼―――イブキは片手でウェンディの右手首を絡めとっている茎を掴むと、その茎をウェンディの細い右手首ごと燃やした。
「ヒッ!」
「安心しろ。炎の鬼―――イグニスの炎は俺が“敵”や“危険物”だって認識したものしか燃やさねェよ。だから、お前の身体は燃えるどころか熱さも感じねェよ。」
「え……?あ、ホントだ。」
熱さに目をギュッ!とつぶったウェンディはイブキの言葉に恐る恐る目を開けると、確かに燃えているのは自身の身体を絡めとっていた太い茎だけで、自分は熱さも感じず服も燃えていない。「ギイイイギャアアアアア……」と悲鳴のような音を出しながら茎は全て燃え尽き灰と化した。そしてモカの足下に展開された魔法陣が消えるのと同時にそれ等も全て消えた。
身体を支えるものが無くなったことで、重力に倣い落下しようとするウェンディの身体をイブキがゴツゴツした紅色の皮膚で覆われたたくましい腕で抱きとめ、床にそっと下ろす。
「ウェンディ!」
「シャルル!」
解放されたウェンディの胸にシャルルが飛び込み、ウェンディがしっかりとその小さな白い体を抱き締める。
「ウェンディ無事?怪我は?」
「大丈夫。なんともないよ。」
「ホント?よかったぁ……」
心配そうに見つめるシャルルにウェンディは優しく笑いかけると、ホッとしたのかシャルルは安堵のため息を吐いた。
「さーて……おいチビっ
娘
(
こ
)
。大人しく白旗振って、そろそろ終わりにしようぜ。」
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