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μ's+αの叶える物語〜どんなときもずっと〜
第41話 決意。踏み出し
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果も我が家の夕飯をご相伴にあずかることになり、ひとまずの平穏が訪れた。

 特に目立った会話もなく、これ美味しいだの、やれ美味しいだの、俺の母さんからレシピを聞きながら過ごした。
 その時の母さんは本当にテンションが高くて、錯覚にも十代に見えてしまった。もう一度言う、錯覚だ。


 そして食後はそのまま俺の部屋へと直行。
俺の部屋に女の子を上げるのはことりと未遥以来の三人目。


「部屋何もないね」
「前に来たことりや未遥と同じリアクションすんなよ」
「え?ことりちゃんも前に来たの?」
「…まぁ、色々あって」


 まずい、失言だったか。
と、思ったが特に膨れたような反応を示さず、ただ『ふ〜ん』と興味なさげに部屋をぐるぐると見渡すだけだった。そして、ある程度見渡した後、もう一度俺の方に顔を向けて一言。




「…エッチな本やこんどーむ(・・・・・)?というのは無いのかな?」
「ブフッ!!!!」


 ガッデム。
穂乃果の口から聞かされるとは思わなかった危険用語に、飲みかけていたお茶が器官の方に流し込んでしまった。

「えっ!?大丈夫?」
「ゲホッ、ゲホ…ウエ、おま…いったい誰の影響だ」
「誰って…希ちゃんが」
「あんのタヌキが…」




 脳裏で『いえーいっ!』と、やってみせたと言わんばかりのゲスな笑みを浮かべた音ノ木学院元副会長が浮かんでくる。その顔が本当に人を煽っているようなリアルな笑みだから心底腹立たしい。

 明日があの人の命日だ、と恨みを込めた言葉を脳裏に住み着くタヌキに投げつけながら、器官に流れたお茶を押し返すように全力でせき込む。


「ゲホッ…ま、まぁ大丈夫。それよりも、その言葉の意味わかって言ってるのか?」
「意味って、こんどーむ(・・・・・)の事?」

 だからJKで初心な女の子がむやみやたらにゴムゴム言うもんじゃありません。
首を傾げて、本当に意味が分かっていなさそうな表情なので…人生何事も経験だ、一つそのゴムとやらの使い道をお前の体に直接教えてやろう……なんてちょっとエッチで変態でR-18的な展開を起こすこともなく。




俺は静かに穂乃果の耳元でその意味を教えることにする。





「コンドームというのはだな。夫と妻が愛し合う…いわゆる…セ───」



 時間はたっぷり一分。
伝え終わった時の穂乃果の表情と言ったら、真姫の髪の毛よりも真っ赤に燃え上がっていて、しばらく俺の顔を見ることができなかったとかなんとか。



 まぁ、年頃の女の子がそういう話に敏感なのは当然なことで。
『なんてことを大くんに聞いちゃったんだろう』と、今更ながらのように部屋の片隅でダンゴムシのように丸くなってしまっ
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