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リリなのinボクらの太陽サーガ
サンライト
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飛翔、迎撃されない内に先端部に魔力刃を纏わせて疑似的な槍にしたシュベルトクロイツを頭部カメラに向けてぶん投げる。なお、魔法ではなく物理攻撃を行ったのは理由がある。アーセナルギアのディストーションシールドの性質を鑑みて、サヘラントロプスにも同じシールドが用意されていると“右眼”が見抜いていた。故に魔法攻撃は吸収されると見込み、物理攻撃の威力を上げることにしたのだ。

サヘラントロプスの頭部にはやての杖が刺さった結果、視界の一部を奪われたことでスカルフェイスは管理局の持つ彼女の記録を頼ってはならないと判断、サヘラントロプスの腕から放射状の電撃(ウィース)を放つ。すぐ近くで放たれた誘導性のある電気を避けるのは難しく、はやては咄嗟に大きく回避機動を取る。だがそれを読んだ、というより誘導したスカルフェイスはサヘラントロプスの左腕を素早く伸ばし、はやての左足を掴んでしまう。

「っ……このぉ!」

即座にはやてはクルセイダーの銃口から魔力刃を展開し、サヘラントロプスの左腕の付け根に向けて全力飛行、刃を突き刺す。だが直後、サヘラントロプスの左腕から電撃がはやての身体に直接流れ込む。

「あぁあああああっ!!」

はやては全身全霊の力で腕を動かし、サヘラントロプスの左腕の付け根を、身体中を焼く電撃の痛みで叫びながらも斬り落とす。左腕が壊れたことによって電撃から解放されるが、そもそも高ランク魔導師とはいえ10代女子が電撃を直接体に受けて何ともない訳がなく、体力の疲弊は凄まじいものだった。

「ゴホッ、ゴホッ……こりゃ、内臓が少し焦げてもうたかな……」

せき込んだ際に口から黒煙を少し吐き出すはやて。当分は胃に優しい食事にしなければ、なんてことを頭の隅で考えながら、彼女は再びサヘラントロプスの頭部へ接近、回避機動の最中でシュベルトクロイツを回収しながら、単独での戦いを続けた。

『そのザマになってでも戦いに身を投じるとは、やはり私を殺したいのだな。両親を殺した私へ、怒りに任せた復讐がしたいのだな。当然だ、大事なものを理不尽に奪われれば憎しみは湧き、相応の報いを与えたいと呪うだろう。なに、否定することはない、怒れ、憎め、呪え……自らの報復心に正直になればいい』

「確かに……私はお前が憎くてたまらない、この胸の怒りを直接ぶつけたくて仕方がないわ。でも勘違いせんといてもらおうか……私はお前の思い通りにはならへん。この報復心はこの先永遠に付きまとうものやけど、決して飲まれたりはしない。もしそんな事になったら、サバタ兄ちゃんとマキナちゃんに合わせる顔が無くなってしまうからな」

『なるほど……ずいぶんと献身的だな。だが……もしこの場を生き延び、いつか世界の真実を知ったその時、果たしてその言葉を言えるか?』

「世界の真実? お前は一体何を知
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