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リリなのinボクらの太陽サーガ
サンライト
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新暦67年9月24日、23時11分

第78無人世界ニブルヘイム、アーセナルギア・アルカンシェル内部、中央部動力炉前。

「ん……なるほど、エナジーを纏う感覚ってこういうものなんか。まるであの子が傍にいる感じがして、心が安らぐわ……」

この淡くて白い光が、自らに巣食った報復心を鎮めてくれているのをはやては実感する。報復心……即ち怒りや憎しみで戦っていては、一応力は増すだろうが先程アギトが忠告した通り、スカルフェイスの思うつぼになってしまう。それでは勝てるはずがないのは自明の理だった。

『SOPの魔力封印が解けたか。だが少し遅かったようだな、魔力が戻った所で貴様以外の人間はまだ戦えない。……結局は死ぬまでの時間が少し先送りになっただけのことなのだ』

臨戦態勢に移行するサヘラントロプス……一人で立ち向かうには厳しすぎる状況だが、はやては一切臆することはなかった。

「生命は最後に残り香を放つ。光とは、死に行くものへの闇からの餞別。受け取った者は、それを未来に継承する役目を背負う。ならば私は運び屋となろう……明日を信じて散った者達と、生きとし生ける者達の想いを運ぶ風になろう」

『……』

「風がニオイを伝えれば、狼はエモノを食い破る。髑髏は到底食えたもんやないけど、発する腐臭はさぞ強く居場所を示すやろ。要するに……噛み砕くことは出来るやろ!」

右眼がひと際強く光った直後、はやてはサヘラントロプスに向けて飛翔する。本来、はやての魔導師適性は遠距離からの撃ち合いなのだが、先程なのはのビッグ・シェルですら破れかけていたことから防御で足を止める方が危険だと判断し、回避行動のしやすさを優先して接近戦を挑んだのだ。

しかし敵に向かうとなれば迎撃してくるのは必然、サヘラントロプスの背部装甲から大量の空中機雷、および機銃がはやてを狙って発射される。機動力がそこまで高くはないはやてにとって、その包囲攻撃はどう考えても直撃必至だった。だが……捻りこみやバレルロールを一呼吸の内に機敏に行い、はやては全ての銃撃をかわしながら機雷を一発一発的確に撃ちこんで撃破し、見事対処しきっていった。

「視える……! この体をどう動かすべきか……右眼から伝わってくる!」

先程のはやての動きは過去の彼女の戦闘記録には見られない、どちらかと言えば飛行魔法で空中戦を行っている時のマキナに近い動きだった。今のはやては危機に陥ると周囲の時間がゆっくりになっているのに思考は通常(リフレックスモード)という感覚が何度か発生しており、そのおかげで今までなら対処が間に合わなかった状況を潜り抜けられているのだ。

彼女に向けてサヘラントロプスの右腕から拳が放たれるが、素早く身を翻して上に回り込んだところで両脚を着け、逆に踏み台にしたはやては勢い良く頭部へ
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