第五章
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「別にな」
「何も感じないわよね」
「このままじゃ瓶一本空けるな」
「そうよね」
こう言うのだった。
「こんなのだと」
「何ともなくな」
「そんなに強いんだったらそっちのも飲んだらどうだ?」
父は二人のやり取りを聞いてキッチンの端にあるペットボトル、何と四リットルの焼酎のそれを指差して告げた。
「お父さん飲まないしお母さんもその焼酎好きじゃなくてどうしようかって困ってたんだ」
「ああ、この前お客さんから頂いた」
小雪はその四リットルのボトルを見て父に応えた。
「これ飲んでいいの」
「そんなに強かったら飲んでみろ」
酒が回ってまともな考えが出来なくなっていての言葉だ。;
「それじゃあな」
「ええ、じゃあね」
「お父さんもお風呂入って寝るな」
「わかったわ」
「桐子ちゃん今日はゆっくりな」
彼も桐子のことを知っているので対応は砕けたものだ。
「よかったら泊まってな」
「すいません」
「お風呂入って洗って寝るな」
こう言ってだ、父は風呂場に消えた。こうして二人はまた二人だけになり飲んでいった。結局瓶はそれぞれ空けてしまい。
その四リットルの焼酎を飲みはじめた、重いのでコップに入れるのに苦労したが飲んでみて言うのだった。
「やっぱりね」
「何でもないよな」
「味はいいと思うけれど」
「苦さに慣れたらな」
焼酎のそれにだ。
「いいけれどな」
「けれど酔うかっていうと」
「別に、だよな」
「そうよね」
「何だってんだよ」
「全然酔わないわよ」
二人は飲みながら言い合う、そして柿ピーも食べて遂にはだった。
その四リットルも二人で飲んでしまった、二人はその空になったボトルをを見て何でもないといった顔で話をした。
「何でもないわね」
「だったよな」
「何これ、酔うも何もね」
「何ともないぜ」
「おトイレ近くなるだけで」
水分を摂ったせいだ、言うまでもなく。
「それだけでね」
「何ともなかったな」
「これがお酒?」
「何もないな」
「ジュースと変わらないじゃない」
「そうだよな」
二人で話す、そして。
小雪は桐子にだ、ペットボトルも飲み終わったところで言った。
「もうなおしてね」
「寝るか」
「そうしよう、けれどお酒ってね」
「何でもなかったな」
「面白いとかそういうのじゃなくて」
「何ともなかったな」
二人共かなり拍子抜けした感じだった、そして二人で後片付けをしてだった。そのうえで二人で小雪のベッドに入って寝たが。
朝は八時に起きてリビングに出たがだ、起きていた由貴にこう言われた。
「二日酔いは?」
「いや、全然」
「何ともないです」
二人はそれぞれのパジャマ姿のまま彼女に答えた。
「別に」
「これといって」
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