第三章
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「よくな」
「じゃあそういうことで」
「一つ言っておく」
先生はそのブロディみたいな顔でこうも言ってきた。
「空気を読まないのと馬鹿は違う」
「じゃあ俺は空気を読まないんですね」
「違う、馬鹿だ」
「俺は馬鹿なんですか」
「そんな格好卒業式以外でしてくるな」
こう言いながら締め付けをさらに強くしてきた。
「わかったな」
「とりあえずこの格好はですか」
「二度としてくるな、いいな」
「卒業式までですか」
「今度してきたら延髄斬りの後ウルトラタイガードロップだ」
ジャンピングバックブリーカーからの卍固めどころかというのだ。
「止めに蠍固めだ」
「長州力ですか」
「あれも痛いぞ、それでもいいのか」
「よくわかりました」
長州力さんの素晴らしさは俺も知っている、そして蠍固めの恐ろしさもだ。それで俺はブレザーに着替えることになった。
俺は他にも空気を読まないでやっていった、しかし。
その都度周りからプロレス技を浴びせられた、家でも部活でも授業でもだ。
それが繰り返されてだ、俺はある日クラスメイト達に飯の時に言った。今も空気を読まず食堂でオムライスにきつねうどんという組み合わせを食っている。
そうしつつだ、クラスメイト達に言った。
「最近皆から怒られてるぜ」
「当たり前だろ、そんなの」
「一体何やってんだよ」
「御前この前体育の授業で剣道の格好してきたよな」
「バスケなのにな」
「それで体育の馬場先生にウエスタンラリアット喰らってたな」
「その後キャメルクラッチにもっていかれたな」
所謂ラクダ固めだ、これもきつい。
「そりゃそうなるぞ」
「というか何やってんだよ」
「阪神のスタンドでカープ応援したりな」
当然相手はカープだ、ちなみに俺はマー君が好きなので楽天ファンだ。
「そんなのばっかりしてるな」
「あの時はファンのおっさんからフライングクロスチョップ浴びたんだよ」
「巨人だったら死んでたぞ」
「流石にそれはしなかったけれどな」
俺は巨人が嫌いなのでしなかった。
「俺もな」
「それはもう自殺行為だ」
「死ぬからな」
「カープだからまだましでもな」
「もう御前は空気読んでねよ」
「今の御前は馬鹿だよ」
クラスメイト達もこう言ってきた。
「今だって何だよ」
「オムライスにうどんってな」
「全然合ってねえよ」
「まずいだろ」
「ああ、どっちも最悪になってるな」
実際に食ってみて酷い味になっている、オムライスのケチャップとうどんのつゆのそれぞれの味が凄まじい拒絶反応を出し合っている。
「まずいぜ」
「それも空気読まないんだろ」
「ファンキーだろ」
「それは違うからな」
「馬鹿だからな」
「何か本当にな」
実際食ってみて思ったこと
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