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外伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
巡航艦ツェルプスト艦長兼第1巡察部隊司令 (その3)
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けなら迷う事は無い、しかし、部下たちがいる。彼らを危険に晒してよいのだろうか? 中佐の言う事が正しいのだろうか? 海賊の仕業にして全員を殺してしまうべきなのだろうか?
「未だ納得していただけないようですね、ならば一人だけならどうです?」
「一人だけ?」
悩んでいる俺にヴァレンシュタイン中佐が溜息交じりに提案してきた。
「ええ、ある人物に全てを押し付けるんです。取調べを行なったが何も喋らずに自殺した人間がいる。他の乗組員は何も知らない、どうやら自殺した人間が全てを知っていたようだと……」
「それは……」
「当然その人物はそれなりの地位にいる人物になりますね」
ヴァレンシュタイン中佐はバルツァー船長を見た。俺も釣られるように彼を見る。そこには不安そうに我々を見るバルツァー船長が居た。
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