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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十一話 敵要塞迎撃の準備に取り掛かります。
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前にある。ミッターマイヤーがいてくれなかったら、ロイエンタールの人生はもっと悲惨でもっと違ったものになっていたかもしれない。本当に・・・良かった。そう思ったことが彼女に自然と頭を下げさせたのである。
「ミッターマイヤー提督、お話を色々としてくださり感謝いたします。」
「いや、出過ぎたことを申し上げたかもしれない。とにかく我々にできうることを最大限やりましょう。力を貸してください、フロイレイン・フィオーナ。」
「はい。」
はっきりとうなずいたフィオーナに別の話題が降ってきた。
「そう言えば、あなたとミュラーの方は――。」
フィオーナはそれに対して返事をせずに済んだ。ドアが開いてロイエンタールが戻ってきたのだ。仏頂面のティアナと、カートを押してきた従卒を伴って。どういう話をしてきたのかはわからないが、従卒がカートに乗せてきたティーセットやお菓子がティアナを不機嫌の寝床から顔を出さしめたのではないか、と想像できてフィオーナもミッターマイヤーも今度こそは笑いをこらえきれなかった。

 後でフィオーナは気が付いたのだが、この従卒は原作でロイエンタールの旗艦に勤務していたハインリッヒという少年である。また、未だ周囲には内緒ではあったが、二人の気持ちは決まっていたのである。この戦いが終わってオーディンに帰還したらミュラーとの結婚を正式に発表しようという話になっていた。

 いつ、どこでどのようにしてプロポーズがあったのか、それはフィオーナとミュラーの胸の内だけの秘密であったが、いつかここに記す機会もやがてめぐってくることだろう。


 その後特に事故もなく要塞に着任した艦隊はシュッツラー大将の艦隊、シュトックハウゼン大将からそれぞれ引継ぎを終え、両将は直ちにオーディンに向けて旅立っていった。「あのような若造、小娘に要塞を任せるとは帝国の世も末だ。」という思いを抱いて。
 要塞駐留艦隊にはフィオーナの直属艦隊があたり、ロイエンタール、ミッターマイヤー、ティアナの艦隊はその周辺に布陣した。
「すぐに工事に取り掛かってください。」
フィオーナはすぐに工兵将校を呼び寄せて工事に着手させた。すなわちイゼルローン要塞を移動要塞にするべく着工させたのである。この案は既にラインハルトも了承済みであり、ここに来るまでの道中で他の三人にも話していたことだった。本来であればイゼルローン要塞着任前に行いたかったのだが――。
 それはそれとして、この工事に駆り出されたのは工兵だけではなかった。要塞守備兵も、艦隊将兵も当直を除く全将兵が動員されて不眠不休の交代で働いたのである。イゼルローン要塞にあって平素の事務にたるんでいた将兵たちは急激に降ってわいたこの一大工事に文句を言う暇もなく働かされた。当のフィオーナ自身、要塞総司令官の事務の傍ら時間が空けば現場に行って工事
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