第二章 Lost Heros
銀白VS漆黒&薄緑&純白
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彼の勝利を願っている者などいないというのに、この願いはなんなのか・・・・・!!!!
「すべての感情が何から来てるか知ってるかい?」
「なに?」
蒔風が話す。
「敵に立ち向かいたいと「願う」事で、勇気が生まれる」
「・・・・・」
「仲間を救いたいと「願う」事で、友情ができる」
「まさか・・・・」
「誰かと一緒に居たいと「願い」、両者に絆が生まれ・・・・誰かを大事にしたいという「願い」が、愛情を生む」
その言葉は、あまりにも雄弁で。
それでいて、遥かな上位からの語りかけであった。
「すべての感情は、「願い」から発生する。ならばこそ・・・「蒔風を倒したい」の「倒す」という部分のみを取り出し・・・・「仲間を救いたい」という「救う」のみを取り出し自分に当てる・・・・するとどうなるか!!!」
ドォオ・・・・・・!!!!!
蒔風の翼が大きく開き、その力が全身にまわって回復する。
「大まかな感情になるゆえに力は下がるが、二人分なら全快してなお余りある・・・・・ありがとうよ。お前らが集めなきゃ、こんなことできなかった」
そうして、蒔風が降り立つ。
理樹とクラウドが目の前の存在に脅威と、それとほんの少しの絶望を感じとった。
勝てないのではないか・・・・と
感情をエネルギーにし、取り込むのは翼人にとって最後の手段だ。
それをしては自分の体力も大幅に削られ、その力は攻撃か回復かに回される。
二人はすでにその力を「攻撃」に加えることに決定し、そうしている。今さら変えることはできない。
だが、この男はその二人の力をかすめ取って全回復。
正直に言って、全開状態のこの男に勝てる気などしていなかった。
もちろん、二人で粘り続ければ勝てるだろう。
と、言うか蒔風を手段を選ばずに本気で潰しにかかれば勝てるのだ。
だが、二人は隣に仲間がいる事も忘れ、目の前の男を凝視していた。
そして、その顔がだんだんと脅威を目の当たりにした者から、怒りへと変わっていく。
あの感情は、離れた場所にいるみんなが自分たちのために出してくれた勇気と友情だった。
それをこの男は利用し、かすめ取って行った。
確かに、総ての感情は「願い」から来るのかもしれない。
だが、だからと言って
自分たちのためのその感情を、他者が利用することなど、許されるはずもないのだ・・・・・!!!!!
「理樹・・・潰すぞ・・・」
「うん・・・絶対に・・・倒す!!」
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