第九話「ユーマ・ライトニング」
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せ、あの青年こと、ユーマ・ライトニングはこれまで多くの部隊長にお願いしても、どの隊長もすぐに根を上げるほどでしたし、ユーマ自身もこれまでの相手に対して全く懐きませんでした。軍人ゆえの厳格さが裏目に出たのでありましょう」
「だ、だからって! 俺は……」
「その分、少佐はユーマ・ライトニングを扱うに大変適した人材かと私としては思うのですが……?」
「だ、だからって……!」
「わかりました! 手当の支給金を『三倍』にしましょう? 赤いだけに!」
「ッ!?」
ふと、ジョニーの表情は変わりだした。ちなみに、彼は少佐とはいえ決して高給取りではない。いろいろと始末書まみれの生活を送っており、軍の中では有名な暴れん坊でもある。幸いにも、腕前は認められているゆえに厳罰に値していないのだが、かわりに給料は随分と減らされているし、謹慎処分も毎度のことだ。現在は、築五十年のアパートにすんでいるとのこと……
「……」
「今月の御家賃、大丈夫ですか? 真っ赤な愛車のバイクもまだローン残ってましたよね? 携帯費だって……」
「て、テメェ! 勝手にプライベート探ってんじゃねぇ!!」
「兎に角も、少佐? 悪い話ではないですよ? 支給手当を三倍ですよ? 赤いだけに、手当も三倍! ああ、カジノでも……」
「わ、わかった! う、うむ……」
顎を抱えてジョニーは悩んだ挙句、彼はしぶしぶと承認した。恥ずかしながらも、ジョニーは金遣いの荒い癖がある。
「……わかった。とりあえず一様、引き受けよう。そのかわり、約束は守れよ?」
「はいはい! わかってますよ!! いやぁ〜少佐はやはりジオン軍切手の兄貴分キャラですね〜!!」
「ったく、調子がいいなぁ……」
何はともあれ、ジョニーはため息を漏らしつつもユーマをお持ち帰りすることになった。
「……そういや、キマイラ隊の宿舎も満員だったよな? 部下共の根城になってるし、こいつの寝床、どうすりゃいいんだよ〜!?」
研究所を出たところで、真っ先に悩んでしまうジョニー。しかし、引き受けてしまった以上引き受けなければ目当ての至急手当(三倍)はもらえない。今さら戻って主任に相談しても、また何か無理なことを言ってくるだろうし……だが。
『ああ、それでしたら……少佐のご自宅で引き取っていただけませんか?』
案の定、気になって相談してみたら、携帯越しからそのようなことを言ってきたのでジョニーは顔を真っ赤にした。
「冗談じゃねぇ! 大切なプライベートも、このガキと一緒に居ろってのか!?」
携帯を握りしめながら、後ろで不安げに首をかしげるユーマに目を向けるジョニー。
『まぁまぁ……でしたら、彼の生活費として三倍の手当を……』
「本当だろうな? 本当なんだろうな!?」
『もちろんでございますよ! 全てにおいて必要な費用は「三倍」にして支
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