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先恋
先恋〜新しい日々〜
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にしてしまった。それが辛くて仕方ない…。

「…陸君?」
母の声が聞こえる。
「ん?何?」
急いで涙を拭き、答える。
「あの…明後日から学校でしょ?明日、見にこないかって先生から…」
「…うん、分かった、行く」
悩んでても仕方ない。結局、忘れるのが一番楽になれるんだから…、陸太はそう、何度も自分に言い聞かせた__。








「陸君、準備できた?」
「うん」
学校訪問の為、陸太は準備を済ませ、玄関へ向かう。
「お友達、出来るといいわね」
「…うん」
母は、陸太の横顔を見つめ、眉を下げる。
「…あのね、陸君、」
「…ん?」
「お母さん、実は、陸君が学校の先生と付き合ってるって電話がきた時、最初、何が悪いのかって思っちゃったの、」
陸太は驚いた表情で母を見る。
「…だって、先生と、生徒でも、同じ人間でしょ?まぁ、瑞木先生が、陸君ばっかり贔屓してるから…っていうなら、アレだけど、瑞木先生は、そんな先生じゃ無かったでしょ?」
陸太は俯き、小さく頷く。
「だから、お母さんも…本当は、貴方に幸せになって欲しかったの…、ごめんね、陸君今更こんなの…嘘にしか思えないよね…?」
陸太は首を横に振る。
「ありがとう、母さん、でも、大丈夫、ちゃんと自分でなんとかするからさ、」
陸太は微笑んだ。一人でも理解してくれる人が居るなら、それで良かった。





学校に挨拶をしに行き、その雰囲気に、陸太は何故か少し、安心した。
「では、明日から、お願いします!」
「はい、此方こそです、宜しくお願いしますね、春先さん」
明日から此処が、自分の通う場所だ…。陸太は此処で、全てを忘れると誓った。全てを覚えていたいと願う沙奈とは逆に……。
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