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マイ「艦これ」(みほちん)
第17話(改2.6)<巡回(鎮守府の外)>
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電探設備が見えますか?」
「ああ、あれか」

私が横から見上げると、ちょうど島根半島の頂部分にドーム型の建物が見えた。

「確か空軍の施設だったな?」
「はい。あれで広範囲の航空機や船舶を捕捉します」
「海軍の設備でないのが残念だなあ」
私は呟いた。

 しばらく走ると大きな旅客船(隠岐連絡船)が停泊していた。
「ここは港町らしい活気が、ありますねえ」

青葉さんは興味津々だった。
(車を止めたら、そのままカメラを担いで取材に行きそうな勢いだな)

隣で黙っていた寛代も珍しく興味深げに漁船を目で追っている。それでも時おり首を傾けて何かの無線を傍受するのだろう。じっと耳を傾ける仕草をしていた。

(境港には高い建物はないからな。どこでも無線傍受し易いのだろう)
この駆逐艦娘は電探特化だなと改めて感じた。

「あの旅客船を時々美保鎮守府の艦娘たちで『護衛』することがあります」
祥高さんが説明する。

「へえ、ここでは、そういう需要もあるんだな」
「単価は低いですけど」
祥高さんが苦笑した。

「そりゃまぁ我々は軍人だし地元奉仕のボランティアだな」
私も返した。

「では、駅へ参ります」
青葉さんの言葉で車は岸壁を離れ境港の駅へと向かう。

 数分経たないうちに境港駅が見えてきた。駅舎は米子駅より小さい。
私は言った。
「漁港は、それなりに活気があるが。街は少し沈んでいるかな」

青葉さんが応える。
「はい。情報統制や食料の配給制限もあって市民生活も不便だと思います」

(おまけに今朝の空襲だ。この港町には事件だな)
そう考えていると窓から彫像が見えた。

「あれは?」
聞くと秘書艦が答える。

「妖怪の像で『町おこし』です」
「噂には聞いた事がある。えっと?」
「水木しげるロードです。地の人は『鬼多郎ロード』とも呼びます」
「なるほど」
小さな駅前に妖怪の像がいくつも並んで妙な存在感があった。

「これも一種のハイカラ文化なのか?」
私は呟いた。

(戦時下だからこそ、こんな『遊び心』も必要かな?)
そう思った。

 だが、さっきから小刻みに震えていた青葉さん、ついに直訴する。
「スミマセン!」

うるうるとした瞳で秘書艦に懇願する。祥高さんは直ぐ事情を察し微笑んだ。
「仕方ありませんね。くれぐれも自重して下さい」
「はい!」

応えるや否や青葉さん、運転を休止しカメラを抱え車から飛び降りた。

(商売道具は常時携行か)
妙に感心した。

直ぐに青葉さんは彫像や町の風景の撮影を始めた。私は通りに地元の人間ではない観光客が少々散策していることに気付いた。

「なるほど観光地だな」
私は呟く。寛代も面白そうに見ている。開
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