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マイ「艦これ」(みほちん)
第16話(改2.7)<巡回(鎮守府内)>
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顔をする。

私は説明する。
「今朝、陸軍の憲兵さんに送って貰ったんだが彼、ここが鎮守府だと知らないんだ。それに、もし市街地に近かったら、いろいろ面倒だろう」

すると彼女は微笑んだ。
「はい。仰る通り地元でも、この辺りは釣り人以外、ほとんど来ません。軍機保持の観点からも理想的ですね」

「謎の施設に女学生。怪しい学校と勘違いされそうだな……魔法学校みたいな」

冗談交じりに言うと秘書艦は少し真面目な表情に変わる。
「実は、その鎮守府っぽくない現状を逆手に取って諜報部隊に特化する計画もありますが」

「え?」
まさか嘘から(まこと)か。

彼女は説明を続ける。
「そもそも、ここが設置された背景は日本海側の護りという目的と」

ここで秘書艦は周りを気にして声音を下げる。
「舞鶴や佐世保といった他の鎮守府への睨みを利かせる側面もあります」

「……」
これには言葉が出なかった。

 ふと寛代の姿が思い浮かぶ。もしかして彼女も、その一翼を担っているのか?
(ここは想像以上に重要な拠点を目指しているのでは)

 しかし祥高さんは微笑んで言った。
「今のことは頭の片隅に留めて置いて下さい。では次に参りましょう」

短い髪をサラサラなびかせ彼女は歩き始める。その後姿を見ながら私は改めて思った。
(君は本当に単なる秘書艦なのか?)

 結局、島風が予想した通り鎮守府内の巡回は短時間で終わりそうだ。
特徴的なことは男子禁制部分が普通の鎮守府より多いことか。

(艦娘専用部隊だけに……まぁ、そこは直ぐ慣れるだろう)
私は楽観視し始めていた。今さら悩んでも始まらない。

また徐々に私にも慣れたのだろう。すれ違う艦娘たちも敬礼ではなく会釈や手を振る者も現れ始めた。

(何だか調子が狂うな)

この反応には秘書艦も驚いたようだ。ただ私も敢えて彼女たちを(とが)めなかった。

やがて祥高さんは言った。
「内部は、ほぼ宜しいでしょうか?」
「そうだね」

腕時計を見ると僅か1時間ちょっとで鎮守府内の巡回は終わった。

私は言った。
「基本的な設備の配置は、どこの鎮守府も同じものだな」

彼女も微笑む。
「はい。むしろ、その方が宜しいですね」

「……」
その姿に私は一瞬、考えた。
この秘書艦の達観した姿勢。普通の艦娘とは違った雰囲気。

 私が帽子を取ると薄っすらと汗をかいていた。
「確かに山陰の陽射しは強いな」

帽子があって正解だ。メモ帳を丸めながら彼女は言った。
「いったん執務室へ戻りましょうか」
「あぁ」

私たちは本館の二階へと戻った。

 私が席に座ると祥高さんは説明を始める。
「一休みした後で今度は軍用車に乗って鎮守府近郊の確
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