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マイ「艦これ」(みほちん)
第16話(改2.7)<巡回(鎮守府内)>
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せつつ敬礼する。私は軽く手を上げながら秘書艦の後に続いた。

本館の中庭で彼女は振り返る。ここから見上げる赤レンガの建物は堂々としていた。

祥高さんは言う。
「この本館に執務室や食堂があります。また艦娘の宿所は別棟になります」
「なるほど」

私は考える。
(ここに所属する艦娘たちと私は、この期間どれだけ交流出来るだろうか?)

 指揮官として、やり難い点。
1)絶対的火力を持つ兵器=『艦娘』。
2)外見は普通の人間にしか見えない。
3)その性格や挙動は普通の少女。
4)艤装を付けて、やっと兵士と分かる。

 軍の組織だから『上官の命令は絶対』として押さえ付けることも可能。
今も散見する『ブラック鎮守府』も知っている。

 だが深海棲艦という敵が居る。
ムヤミに彼女たちの反感を買えば未来が無くなる。人類には艦娘以外、敵に対抗する(すべ)がないのだ。

だから近年、海軍省や軍令部はブラック度が目に余る拠点に『監査』や『指導』を入れると聞く。

それに不思議なのは艦娘たちが現れるのは、わが国の帝国海軍に限定されていることだ。これには諸説あるが結論は、まだ出ていない。

(男性兵士を相手にしている方が気楽だよな)
私は、つくづくそう思った。

秘書艦が振り返った。
「どうかしましたか?」

まずい。
私は帽子を軽く持ち上げて誤魔化す。
「あ、いや。艦娘だけの部隊って、やっぱりまだ慣れないなぁ」

すると彼女はメモ帳を傾けながら軽く(うなづ)く。
「はい分かります。着任する指揮官の皆さん、同じように仰いますから」

「やっぱり?」
そうなんだと思いつつ悩んでばかりも居られない。現実は目の前にある。

(私は軍人であり司令官という重責を拝命したのだから一生懸命応えるべきだ)
謙虚に反省した。

 それからは意欲的に祥高さんと一緒に工廠や艦娘の宿所、入渠施設などを確認して回った。

率直な印象は『噂通り小さい』。

 一区切りつくと秘書艦は言った。
「この先は埠頭で仕切られた鎮守府専用の港湾部です」

少し行くと説明通りの青い日本海の見える埠頭に着いた。

海を眺めながら私は感想を述べた。
「ここは艦娘専用だから他所の鎮守府よりも小さいな」
「はい。ですから艦娘たちは、この埠頭だけではなく倉庫や専用の桟橋から出撃することも多いです」

それは他の艦娘が居る鎮守府でも同様だ。ここの埠頭は一般の船舶用だから最低限のモノがあれば十分なのだ。

「ここは起重機もないんだな」
振り返りつつ私は確認した。そういえば鎮守府必須の大規模な入渠ドックもない。

私は腕を組んだ。
「ここは埋立地で良かったのかも」

「はい?」
祥高さんが不思議そうな
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