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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第162話 バトル・オブ・ガリア
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方に付けていると思う。そして、ゲルマニア側は機体の航続距離が短いので、こんな場所……上空から見る限り、地上は鬱蒼とした森や川は存在するが、街の姿は見えない辺り。この感じならば多分、リュティスは未だ遠い。目的地も遠いそのような場所では流石に全速力で戦闘が出来ない点と、相手を時代遅れの飛竜騎士だと侮っている点が合わさって、巡航速度での戦闘が適当だと判断したのでしょう。
 何故ならば、完全に確認出来た訳ではないのだが、ゲルマニアの航空機から投棄された物がないように感じたから。普通に考えると、燃料用の増槽を着けたまま自分たちよりも蒼穹を自在に動く相手に対して格闘戦を行うとは考え難いし、リュティス爆撃が彼らの主たる任務なら、戦闘機の方にも多少の爆装をして居る可能性もあると思うのだが。

 機首を僅かに上げ、その射線上に竜騎士を捕らえたゲルマニア航空機隊。
 そして、その銃眼に捕らえた前時代の騎士たちをハルケギニアの科学力では再現する事さえ不可能な二十ミリ機関砲で――

 瞬転!

 それまで彼の国の国民性が非常に分かり易い見事な編隊飛行を行っていた戦闘機群に綻びが発生する。そして、その混乱した編隊の中央を紅い光輝に包まれたガリアの飛竜騎士たちが貫いて行く!

 そう、紅い光輝の正体は彼らに施された術が起動した証。彼らには物理的な攻撃を一度だけ反射する術と、更に、すべての金行に由来する武器からの攻撃により傷付く事を禁止する初歩の禁術が施されている。
 そう、つまりこれは『人を呪わば穴二つ』と言う事。
 そもそも二十ミリ機関砲で生身の人間を、何の躊躇いもなく攻撃出来るような奴は既に人間には非ず。俺の感覚から言えばそいつ等は悪鬼羅刹の類……だと思う。
 ……ならば、自らの攻撃により自らが滅びたとしてもそれは自業自得。ここに、悪しき気の流れ。陰に向かう気が発生する可能性は低い。
 ……はず。そう思い込もうとする俺。

 自らの放った二十ミリをそのまま反射され、何が起きたのか理解出来ずに墜ちて行く戦闘機たち。おそらく、墜ちて行く機体は、二十ミリの弾をそのまま素直に反射され、パイロット自身が被害を受けたのでしょう。
 流石にすべての飛竜に物理攻撃反射の呪符は使用していないはず、ですから。
 そう、飛竜は金行に属する攻撃を無効化する事は出来るが、反射する事は出来ない。しかし、飛竜を操る騎士たちは、自らに対する攻撃の最初の一撃だけは無条件で相手に対して反射する事が出来る。
 つまり、相手の航空機を操るパイロットに対して二十ミリ機関砲一斉射分を返すと言う事。これでゲルマニアのパイロットが生き残っていたのなら、それは奇跡に近い。
 そして、その隊列の乱れた戦闘機群の真ん中を抜け、そのまま低空域に向かうガリアの飛竜騎士たち。

 しかし、一撃離脱
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