第5話
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中将の答えを聞いたクレア大尉が真剣な表情で考え込んでいる中重くなった空気を変える為にエリオットは話を変えた。
「あやつは師団には戻っておらぬ。数日前まではまったく連絡もつかない状態であったが………先日ようやく、通信による連絡があり今のところは無事でいるようだ。」
「そうなんですか……」
「まあ、なんにせよ今後も注意は必要でしょうね。この拠点もどこまで持つかわからない状態でしょうし。」
「……否定はせぬ。貴族連合も本腰を入れて我々を潰しにきている。対機甲兵戦術があるとはいえ、補給面においてはいささか不利な立場だからな。」
サラの指摘を聞いたクレイグ中将は重々しい様子を纏って答えた。
「たしかにこの場所じゃ補給は厳しそうだね。しかも下手したら貴族連合軍じゃなくて貴族連合軍よりも圧倒的に練度があるメンフィル軍が相手になるかもしれないし。」
「そ、それは………」
「……父さん、メンフィル帝国と戦争になってしまったから、正規軍はメンフィル軍と戦うの……?僕達がケルディックで戦った人から聞いたクレア大尉の話によると、メンフィル軍は今の所正規軍に戦闘を仕掛けるつもりはないようだけど……」
フィーの推測を聞いたマキアスが不安そうな表情をしている中エリオットは心配そうな表情でクレイグ中将に訊ねた。
「……敵の言葉を鵜呑みにする訳ではないが今の所はこちらからメンフィル軍に戦闘を仕掛けるつもりはない―――いや、それ以前にケルディック奪還の為に進軍するにしても双龍橋を奪還しなければ、ケルディックに進軍する事すらできぬ。」
「それにメンフィル軍を迎撃するにせよ、メンフィル軍との戦闘を回避する為にこの拠点から退陣するにせよ、現状双龍橋に貴族連合軍がいる事はある意味、こちらにとっても好都合ですからこちらからは動けません。」
「へ………何で双龍橋に貴族連合軍がいる事が正規軍にとって好都合なんですか?」
クレイグ中将の後に答えたクレア大尉の説明の意味がわからなかったマキアスは不思議そうな表情で訊ねた。
「―――なるほどね。貴族連合軍を盾にして、時間を稼ぐんだ。」
「そ、それってどういう意味なの……?」
「もしメンフィル軍がこの拠点にいる正規軍を制圧する為にこの拠点へと進軍したとしても、進軍の途中にある双龍橋にいる正規軍にとって”敵”である貴族連合軍と間違いなくぶつかり合うでしょうから、迎撃態勢を整えるにせよ、拠点から退陣するにせよ、メンフィル軍に双龍橋にいる貴族連合軍をぶつけて時間を稼ぐと言う事よ。」
「あ………」
フィーの言葉の意味がわからなかったエリオットはサラの説明を聞くと呆けた声を出した。
「……あの。そもそも何故メンフィル帝国は突然エレボニア帝国に戦
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