第15話(改2.6)<艦娘の強さ>
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「不足ながら私も司令着任までは代理で指揮を執っておりました。この鎮守府のため私も精一杯、お支え致す所存です」
不意討ちのような固い挨拶。
「分かった」
少し焦った。そこで、ちょっと構えつつ聞いてみた。
「毎回、君は指揮官着任後に、それを言うのか?」
すると祥高さんは微笑んだ。
「済みません。私、よく『押しが強い』って言われるもので……これも鎮守府と艦娘のためだと、ご理解下さい」
その表情は青葉さんとは、また違った雰囲気だった。
私も姿勢を崩して苦笑する。
「それは分かる。司令部付きの艦娘たちは、大抵そんな感じだ」
「へえ?」
いきなり島風が反応する。
私は肩をすくめた。
「むしろ艦娘で、ここまで責任感を持って執務する方が珍しいだろう」
「恐縮です」
祥高さんは、またニッコリ笑う。その笑顔に私はホッとした。
「うんうん」
島風も大きな耳飾りを揺らしながら頷いている。
「秘書艦は固いから」
その一言で場が和んだ。
「やれやれ」
呟いた私はイスに座り直した。
「これじゃ普通の鎮守府の方が気楽だな」
ただ私は食堂に入る前に出て行った黒髪の艦娘が気になっている。
(あの艦娘も、どこかで見た記憶がボンヤリとある)
誰だっけ……ダメだ、思い出せない。
私は、ため息をついた。
前任地から持って来た資料も焼失した。もはや手がかりは無い。
だが、いざとなれば指令室にある艦娘の顔写真を調べたら分かるだろう。そう思い直した。
ただ今は、ちょっと気力がない。大勢の艦娘を前にして既に混乱気味だ。
「ナンだか難しい顔?」
島風が覗き込んできた。その屈託の無さは私の悩みなんか、お構いなしだ。
「新しく覚えることが一杯だよ」
「ふうん」
「まぁ徐々にだな」
私は頭に手をやった。
「そうですね」
祥高さんも微笑んだ。
「……」
寛代は黙って私を無表情で見つめていた。
以下魔除け
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