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オズのアン王女
第三幕その七

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「決してね」
「それじゃあ」
「ええ、案内してくれるかしら」
「わかりました」
「ではーー私も」
 チクタクもここで言いました。
「王女にーー同行して」
「ええ、貴方も来て」 
 アンはチクタクにも声をかけました。
「折角だからね」
「それーーでは」
「必要とあらば二人でお話しましょう」 
 村長さんにです、ですがここでチクタクはアンにこんなことを言いました。
「そのーー前に」
「どうしたの?」
「背中のネジをーー巻いてーー下さい」
 こう言うのでした。
「今ーーから」
「ああ、そろそろなのね」
「はい」 
 それでというのです。
「お願いーーします」
「わかったわ」
「あっ、チクタクさんはそうでしたね」
 村の人はオズの国の名士であるこの人のことを思い出しました。
「背中のネジを巻かないと」
「動けなくーーなります」
「そうでしたね」
「ですーーから」
 それ故にというのです。
「アン王女にーーお願いーーしました」
「そうですね」
「ではーーアン王女」
 チクタクはアンにお顔も向けて声をかけました、再び。
「お願いーーします」
「それじゃあね」
 アンも頷いてでした、そして。
 実際にです、アンはチクタクの背中のネジを撒いてでした。そうしてから村の人に村長さんのお家に案内してもらいました。
 そのうえで、です。村長さんの他のウィンキーの人達と変わらないお家の中で村長さんに村の草のことをお話しました。
 するとです、村長さんは難しいお顔になって言いました、恰幅のいいそのお顔を。
「そうですか、だからですか」
「そう、手早くやることもいいけれど」
「それが過ぎるとですね」
「こうしたことになるから」
「畑にだけですね」
「自分達でね」
 人間の手で、というのです。
「肥料を撒いた方がいいわ」
「気球で空から撒くよりも」
「気球で畑の上にだけ撒いたつもりでも」
 それでもというのです。
「風に流されてね」
「お庭や野原にですね」
「肥料が撒かれるから」
「よくないのですね」
「そうよ、だからね」
 それでというのです。
「畑に自分達でね」
「撒くべきですね」
「そうした方がいいわ」
「わかりました」
「ここはね」
 またお話したアンでした。
「そこまで広い村じゃないから」
「畑もですね」
「確かにあまりにも広い畑だとね」
 その場合はというのです。
「お空から種や肥料を撒くのがいいけれど」
「この村位ならですか」
「そう、人が撒いた方がね」
「いいのですね」
「さもないと草はすぐに成長するわよ」
 このことを言うのでした。
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