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マイ「艦これ」(みほちん)
第14話(改2.6)<司令の思い出と艦娘たち>
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「もう少し、お待ち頂ければ鎮守府の概要をまとめた資料をお渡し出来ます。当地の主要拠点は午後にでも実際に、ご案内致しましょう」

手際が良い。だてに提督代行を経験したわけではないな。

「頼む」
私は頷きながら返した。

「お待たせ……しました」
ちょうど鳳翔さんが駆逐艦娘と一緒に昼食を持ってきた。

彼女は私たちの席に二人も艦娘が増えているのを見て驚いていた。
「あらぁ? 貴女たちの食事までは……」

すると島風と青葉さんが反応する。
「別にぃ」
「お構い無く」

鳳翔さんは微笑んだ。
「うふふ、別に良いわよ。お茶くらいなら持ってきて上げるわ」

「サンキュ!」
明るい島風。軽く会釈をして鳳翔さんは厨房へ戻る。

私は祥高さんを見ながら手を合わせた。
「では、頂くとしようか」
「はい」

彼女も私と同じように手を合わせていた。少し意外な印象だ。やっぱり秘書艦は艦娘より人間に近い感じがした。

「……」
すると駆逐艦の寛代が静かに近寄って二人の、お茶を置いてくれた。

「ありがとう」
「……」
(無愛想な娘だと思っていたけど意外に気が利くんだな)

でもこの子は、そのままちゃっかりと私の隣に座ってしまった。結局、五人掛けになった。

「寛代ちゃん……」
直ぐに祥高さんが注意しようとしていた。

「良いよ、一緒に食べよう」
私は笑って制した。

「は?」
祥高さんは私の反応に少し驚いた様子だ。

私は続けた。
「皆で食べるのが楽しいだろう?」

「……」
寛代も静かに笑っていた。

もちろん島風と青葉さんも微笑んだ。
「そうそう、それが一番!」
「……ですよ」

その反応に祥高さんもヤレヤレといった表情になった。
「仕方ありませんね」

実際、駆逐艦クラスならば、あまり気に障ることもない。
どさくさに紛れてメモ帳を取り出した青葉さんは重巡だけど。

 私は改めて食堂の大きな窓から見える昼の美保湾を眺めた。
「この穏やかな海が、ずっと続いて欲しいものだな」

水面(みなも)は陽の光を反射してキラキラと輝いていた。


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