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マイ「艦これ」(みほちん)
第14話(改2.6)<司令の思い出と艦娘たち>
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あ、そうですよね」
と、彼女は意外にもメモ帳を閉じて微笑んだ。

「急に核心的なことは話し辛いでしょうから。もちろんオフレコにします」
そう言いながら青葉は島風を見た。

「うん、島風も聞きたいな!」
一緒に連装砲も頷いていた。

私は頭に手をやった。
「やれやれ。えっと、学校の話か」

何だろうな、この状況は。
「まぁ教官たちも、そんな停滞した学校の雰囲気は薄々感じていたようだ。だから高学年になると長い休暇が取り易くなった」

『へえ』
二人の艦娘は同時に反応する。

私は窓の外を見た。
「悶々としながら私は、ある夏休みに、ここ故郷の境港に帰ったんだ」

「故郷?」
新しい事実に手帳を開きかけた青葉さんはグッと堪えていた。

それを尻目に私は続けた。
「突然、帰省した私に驚いた両親だったけど。ま、何となく私の葛藤は悟ったようだ」

「葛藤?」
島風は確認するように相づちを入れた。

「ご両親」
これは青葉さんの復唱。自分の頭に新しい事実を刻んでいるのだろう。

 私は改めて二人を正面から見直した。どちらも真剣な表情だな。

(意外に話し易くなってきたか)
そう思いながら続けた。

「両親は何も言わなかった。結局、私は一週間ほど地元でブラブラしていたかな?」
「ここで、ですか?」
青葉さんが聞く。

「ああ。だが全てが停滞するこの時代だ。地元に戻っても何もないし。解決にならないから結局、時間を浪費して終わりだ」
『……』
二人とも互いに目を見合わせて肩をすくめた。何か期待していたのか?

私は再び美保湾を見る。
「両親に何も聞かれなかったことは正直、有難かったな」

ちょっと間が空く。人間の昔話なんて艦娘たちに理解できるのか?
「自分の悩みは自分で解決するしかない。そう考えた私は再び兵学校へ戻ったよ」

「なぁんだ。じゃあ良かったじゃん?」
島風は相づちを入れた。

「まあな」
「それから?」
興味津々といった表情の青葉さん。

頷きながら私は続けた。
「気分一新、戻った学校では山口出身の友人が出来た。彼の名は『H』としておこうか。割りとハンサムで一見プレイボーイっぽかった」

「プレイ?」
不思議そうな島風。彼女の『辞書』には無い単語か?

「カッコイイ感じかナ」
青葉さんが説明する。
ウンウンと頷く島風。

私は続ける。
「接してみると意外に真面目な奴だった。真逆の組合せだったと思うが彼とは、それからも何かと行動を共にしたナ」

「それって姉妹艦みたいな?」
「まぁ、そうだな」
妙に的確な表現をした島風。

メモを書きたくてウズウズしている青葉さんも言う。
「なるほど、軍隊もいろいろですよねぇ」


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