第14話(改2.6)<司令の思い出と艦娘たち>
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絞り出すように応えた。
何度見ても印象的な衣装だ。制服と言うには余りにも違和感がある。
辛うじてセーラー服っぽいデザインに肩や腰周りが過度に露出している。
そして大きなウサギ耳と青地に黄金色のラインとボタン。それは彼女自身の特殊性をいやが上にも印象付けていた。
(正直この出で立ちは正視できない)
私は顔が火照ったような感覚で、つい目を反らした。
そんな私の思いを見透かしたように彼女はワザと私の視界に自分の顔が入るように移動して悪戯っぽく笑った。
「うふっ、覚えていたんだ」
その黄色く半分、鼻にかかった長い前髪と、その間から透き通るような瞳がこちらを見詰めている。
「まぁね」
私の返事に頷いた島風は臆すること無く私の向かいに座った。
「ねぇ、何? ボーッとしているの」
「昔のことを思い出していたのさ」
「へぇ、どんな?」
興味津々。彼女は腕に連装砲を抱っこしている。まるで愛玩動物だ。
「えっと兵学校に入って……」
さて正直に話して良いものか躊躇した。連装砲まで、こちらを見上げている。
その瞳を見ると急に、この子たちには何を語っても大丈夫な気がした。
(その理由は後に悟ることになる)
「私は軍隊に嫌気が差して途中で兵学校を退学しようと思った事があるんだ」
「へえ」
首を傾げる島風。まだ人形のような硬い表情だった。
彼女は連装砲を撫でながら言う。
「そこではサァ。皆が、そう思うの?」
「いや、そんなこと考えてる奴は少ない」
なかなか鋭い。島風は肘をついて口に手を当てていた。私は続ける。
「まぁ、仮に居たとしても大っぴらに公言できるもンじゃない」
思わず砕けた口調になってしまった。
「ふぅん」
彼女も少し興味が出たのか、さっきまでとは表情が変わった。それを見てホッとした。
私は自分を正当化するように言った。
「でも二年とか三年生とかナ、進級すりゃ幾らか落第したり、中には脱走して強制退学する者も出るんだ」
「それ興味ありますね!」
(うわっ、ビックリした)
ゆっくり振り返ると青い髪の艦娘が立っていた。
「あのぉ私、重巡の青葉と申しますぅ。お席、宜しいでしょうか?」
(やや長身で島風よりも骨太な印象だ)
私は応えた。
「あぁ、構わんよ」
「はい、では」
そう言いながらメモ片手に島風の横に座った。
第一印象通り青葉は大柄だった。それもまた重巡たる所以だろう。フワッとした髪の毛を後ろで結わえている。それは彼女の快活さを象徴しているようだ。
「どうぞ、続きを」
私の前に二人の艦娘たち。突然、形成が逆転したような印象を受けた。
私は渋る。
「何だか話し難くなったな」
「
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