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外伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
彼はNO.1
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、軍務省配属希望者や統帥本部配属希望者と見比べるだけで嫌になる。
「そんな事言っていいの? 今年のNO.1はダントツでウチよ」
「はあ?」
何を言っているんだろう。
NO.1…… その年配属される新人の中から将来性、ルックス、成績、性格等で各配属先(軍務省、統帥本部、宇宙艦隊、憲兵隊等)が競い合う。自分のところに配属された少尉がNO.1だ、と自慢しあうのだ。新人配属から3ヵ月後、密かに各配属先から女たちが集まりNO.1を決める。言ってみれば彼氏自慢、息子自慢のようなものかもしれない……。
「冗談は止めて下さい。ウチがNO.1なんてありえません」
そう、絶対ありえない、出るだけ無駄。去年私も集会に出たけど泣きたくなるくらい辛かった。あまりにレベルが違いすぎる。今年は絶対に行かない。
「あらあら、騙されたと思って見てみるのね、エーリッヒ・ヴァレンシュタイン候補生。ポケットに入れたくなるような男の子よ」
「?」
コルネリア先輩は艶やかに微笑むと立ち去っていった。
ポケットに入れたくなる? 男の子? 私は軍のホームページを開き希望配属先リストのデータベースを開いた。兵站統括部を選択し、配属希望者を確認する。エーリッヒ・ヴァレンシュタイン、これね。確かに兵站統括を希望しているわ。騙されたと思って詳細を確認してみよう。
彼の詳細データが出た。黒髪、黒目、優しげな顔立ちの写真が出た。カワイイ、本当に男の子? 女の子じゃないの? それにちょっと幼い感じがするけど……、嘘、この子十六歳なの? 本当ならこれから士官学校入学じゃない。
成績は……評価はSA! 嘘、この子SAなの、信じられない。
成績欄を見ればおおまかな成績はわかる。これまでの中間、期末試験の順位の平均を基に評価してあるのだ。
SAは平均で十番以内だ。Aは百番以内、Bは千番以内、Cは二千番以内、それ以外はDランク。ヴァレンシュタイン候補生は十番以内に入っている。凄い、なにこれ、なんでウチに来るの。どう見ても軍務省か、統帥本部か、宇宙艦隊よ。間違ってもウチに来る子じゃない。
「嘘!」
思わず叫んでしまい、周囲から睨まれる。拙い、つい興奮しちゃった。でも信じられない。この子の資格取得欄が凄い。“帝国文官試験”、通称“帝文”に合格してる。
そういえばそんな話を聞いた気がする。確か士官学校始まって以来だとか。どうせウチには来ないと興味なかったけど……。それに物流技術管理士、船舶運行管理者、星間物流管理士……兵站のプロじゃない。何者なの。
昼休み、私はコルネリア先輩と食事を取った。兵站統括部の食堂でAランチを取りながら話す。
「先輩、なんなんです、あの子」
「ヴァレンシュタイン候補生?」
おっとりとコルネリア先輩は話す。この辺が私とは違
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