第6章 VS感情
20 そして、本当の友人を確かめる
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情を爆発させてしまう。
理子の制服が俺の涙で濡れていくのも、理子は全く気にせずにさらに強く抱きしめてくれた。
「だからっ!気づいた時に後悔したんだっ!俺は、なんてことしたんだって!だから、だからっ!」
「辛かったねしゅーちゃん。いいよ。今は理子しか見てないから、思うだけ泣いちゃおう」
俺は大声を上げて泣いた。大人気なく、プライドも恥じらいも捨て、全てをさらけ出して泣いた。
ーーーーーーーーーー
「落ち着いた?」
「・・・ああ」
しばらく泣き続け、頭を撫でられ続けて、ようやく落ち着いた。理子の胸から離れ、涙を袖で拭いた。
「サンキューな理子。本当に助かった。あと、その・・このことは誰にも言わないでくれると」
「うん。いう訳ないじゃん。理子だって泣きついたんだしさ」
「そうやそんなこともあったか」
俺はベンチに身体を預け、空を見上げる。これだけ泣いたのは久しぶりだ。しかも女子の前で。しかも頭まで撫でられて。途端に恥ずかしくなってしまった。男として情けないな、俺。女子かよ。
「ね、しゅーちゃん。これだけ泣いたらさ、次やることわかったんじゃない?」
「え?」
先ほどの自分を恥ずかしがっていると、胸元の濡れた理子が笑いながらこちらを向く。
やること?・・なんだ?
首をかしげる俺に理子は、はぁと息をはいた。
「もー、しゅーちゃん。こんなに泣いてまで失いたくなかったのはなに?」
「え?ゆ、友人?」
「そうでしょ! じゃあそんなに大切にしていたものを、簡単に諦めちゃうの?」
「え、それってつまり・・」
理子はくるくると回って俺の隣に座った。そして
俺のするべきことを、一緒に考えてくれる。
「そう!しゅーちゃん
ごめんなさいって、みんなに、謝りに行こう!
やってしまったことはもうどうしようもないけど、謝らないと前にも進めないよ!いえーい!」
俺は目をパチクリさせてしまう。え、謝りって、あいつらに?
「む、無理だって。あいつらに合わせる顔ねーよ」
あの現場を無茶苦茶にして、ただ逃げてしまったんだ。あいつらの怒る顔が目に浮かぶ。またあいつらに会うなんて・・
「もー!無理って言葉使うなって言われたんでしょ!しっかりしてよしゅーちゃん!」
「・・・あ」
『私は嫌いな言葉が三つあるわ。無理、つかれた、めんどくさい。この三つは人間のもつ可能性を押しとどめるよくない言葉。私の前では二度と言わないこと!』
俺は忘れていた。そうだ。もともと俺は、その言葉でこの2年生を続ける気になったんだった。俺を変えた言葉を忘れてしまっているなんて・・。そういや、それを言われ
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