第6章 VS感情
20 そして、本当の友人を確かめる
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らこんなにまた怪我を悪化させて・・」
俺の左足を見て、苦い顔をする理子。・・俺はその言葉に驚いた。理子が怒っているのは、ジャンヌのためじゃなく、俺のためだったことに。
「・・理子、お前ー」
「ね、しゅーちゃん」
理子は立ち上がると両手を大きく広げた。俺は、ただ、じっと理子を見つめる。くるりと回って、俺の前に立つ。
「さっき言ってたよね、友達がいなくなるのが辛いって」
「・・ああ」
友達が欲しかった。一年からただ罵倒され続けた過去。もうあの頃には戻りたくない。
理子が一歩、俺に近づく
「信頼できる人がいなくなるのが嫌だって」
「・・ああ」
せっかくできた、喉から手が出るほど欲しかったものが、一気になくなる不安、それだけが俺の中に溢れる。もうイヤなんだ。
理子がまた一歩、俺に近づく
「1人は、イヤなんだよね」
「・・イヤだ」
俺は頷いた。もうプライドなんて必要ない。俺はただ、信頼できる友達が、Eランクの俺でも、こんな俺でも気兼ねなく接してくれるようなそんな友人が。でも、それを今の失った。だからー
そして、また一歩、かなりの近距離で見つめ合う。
「くふ、修一が今考えてることわかるよ」
理子は俺の方ほうに両手を伸ばすと
俺の顔をギュッと抱きしめてきた。
俺は驚いて思わず身を離そうとしたが、それより強く、理子は抱きしめてくれた。
そして
「でもね修一、だいじょうぶ。
他の人たちが修一のことを悪く言って、修一から離れていっても、理子は、
理子は修一の味方だよ。
みんなが修一のことを嫌いって言ってたとしても、悪口を言ってきたとしても、理子は信頼して一緒にいてあげる。どうしたの?って聞いてあげる。だから、安心していいんだよ?
修一に信頼できる人がいなくなるなんてことないんだから。
失敗したってだいじょうぶ。一緒にどうして失敗したのか考えようよ。2人なら、きっといい案が生まれるから」
理子の言葉が、俺の中で反復する
俺は、理子の胸の中で、感情が高まるのを感じた。先ほどから抑えていた感情が溢れ出す。
うまく息ができなくなり、口元が震える。それは、止められるはずもなく、涙となって俺の目から次々と溢れ出した。
そしてそれは目だけでなく口からも漏れだし始めた。
「・・りこ、おれ、し、失敗した、失敗しちまったんだっ・・ぅ!」
「うん」
「・・・ほんとはっ!ただ、見るだけのつもりだったんだ!っでも、見てるうちに、感情が、っ、溢れて!頭真っ白になって!」
「うん、うん」
俺は男らしさなど捨てて、ただ、自分の隠していた感
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