第6章 VS感情
20 そして、本当の友人を確かめる
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兼ねなく接してくれて、俺としても本当に嬉しかったんだ。
星伽だってそうだ。俺なんかのためにわざわざ病室まで来て手当してくれるような、優しい奴だった。
皆、俺なんかを友達と思ってくれていて、俺も大切な友達だと思っていた。
それが、
今はもう、
存在しない。
ジャンヌと敵対してしまったことで、『イ・ウー』そのものと敵対した言ってもいいだろう。つまり、今隣にいる夾竹桃とも、理子とも敵対してしまったことになるし、星伽にはもう会わせる顔がない。
アリアやキンジとだって敵対してしまった。これでは
俺にまた
一人ぼっちでの生活が訪れる。
ゾクッと寒気が襲った。いやだ!と心の中で叫ぶ。
だがそれは自分の手で、自分の行いで壊してしまったものだ。
一年からずっと欲しかった。欲しくて欲しくて堪らなかったものを、
ただの感情一つで、
全部壊してしまったせいなんだ。
「・・俺、どこで間違えたんだろう」
そう言ってしまう自分がそこにいた。あの対戦をただ見てればよかった。そこが間違い?・・それも間違いだろうがまだ違う。対火野ライカ戦、アリア戦で変に自信をつけてしまったのが間違い?・・それも間違いだ。ならーー
散々過去を振り返り、全てを間違いだと否定し始めてしまう。俺は全てを間違っていた。そう認識し始めようとしたーーその時、
「別に、なにも間違ったことはしていないと思うわよ」
夾竹桃の言葉が、すっと体に染み渡った。
「・・・え?」
俺は思わず顔を上げて夾竹桃を見てしまう。夾竹桃はただ前を向いて俺に伝えてきた。
「人間だもの。自分を優先してしまう時なんて沢山あるわ。もちろん友人よりなんてことも沢山。生きてる以上、自分を可愛がらない人なんていない。安心しなさい、あなたがやったことは最低とまで言われるほど、人間離れした行動じゃないわ」
俺が夾竹桃に巻いている手をギュッと握ってくれる夾竹桃。その対応は、どう見ても、俺を嫌った行動ではなかった。
俺は溢れ出しかける感情に違うと強く言いつけつつ、夾竹桃に伝えた。
「・・なん、で?・・俺は、ジャンヌと敵対、したんだぞ・・?どうして、俺を励ますような言い方を・・」
「さあ、なんでかしら。私にも分からない。あの時普通ならジャンヌに加勢しているはずだって私も思うけど」
そう言うと夾竹桃は、俺の目を見て、ハッキリと伝えてくれた。
「どうしても、貴方の方を手伝いたくなったの。ジャンヌと敵対しようとも、遠山キンジやアリアと戦おうとも、貴方と同じ『友人に迷惑かけても自分の欲求を満たしたかった』。私もそうなのだから、岡崎がそこまで悩むこともな
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