第6章 VS感情
18.祭りも終わり、戦場へ…?
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の言葉の意味を本当に理解できる。
「・・すげぇ」
「そうね。理子の言っていた『弾丸を切った』というのもあながち嘘でもないかも」
夾竹桃が隣でふむんと納得している。夾竹桃も二人の対決に見入っているようだ。
俺はその対決をまるで初めておもちゃを見た子供のような感覚で見ていた。
ただじっと、何も考えずその決闘を見る。速すぎて追いつけない部分が多い中、それでも食らいついて見る。・・・3分は持った。そのまま3分は見ていた。
それからはなにか、俺自身も、自分の行動をうまく説明できない。
ただ、先ほどの例えは比喩ではなく、そのままの意味だったようだ。
初めて見たおもちゃを見たら、子供は黙って見ていられるわけがなかった。
ただ無性に、触ってみたい、手で触れてみたい、そして、
自分で、どの程度扱えるのかを、確かめてみたく感じるのだ。
ーープツン
脳の中で何かが切れた。
そう、久しぶりにきたこの感覚、もともとこの気持ちをもう一度味わいたくて来たと言っても過言ではなかった。
ただ、やはりこれまで以上の感覚だった。
俺の中で、爆発的にワクワクしたような感覚が湧き出て来る。
「なかなか白熱しているようね。星伽も予想以上みたいだし、確かに見る価値あるかもね岡崎・・岡崎?」
夾竹桃が話しかけて来る。・・だが、俺はこの時それすら聞いていなかった。いや、聞いている余裕がなかった、
早くしないと、終わってしまう。
俺は右腕に着けた包帯、そして左足についた邪魔なギプスなどを無造作に取り外していく。何重にも巻かれたものを煩わしそうに取っていき、ようやくすべて外すと持っていた松葉杖を一個だけ取り軽く振る。
そしてまだ続いている二人の戦いを見て・・・思わず
「・・・はっ」
笑った。これ以上待てない。
『しゅーちゃん、明日は絶対に病室にいないとダメだからね。理子と一緒にお留守番。変なこと考えない』
昨日言われた言葉。クラクラしている俺の頭の中に、するっと入ってきた。飛び出そうとした俺の体を止める。
「・・・・理子」
キンッ!
俺の耳に金属音が、両者それぞれの気合の入った声が、地面が擦れる音が、俺を再び、あの快楽へと、誘った。
「おれぇ、やっぱちょっと行ってくるわ。お前アリア達な。こっちに来させんなよ」
「行ってくるって・・あ」
戸惑っている夾竹桃を置いて、俺は両足を曲げ、グッと力を込め
飛び出した
「・・・・あっははははは!!やっぱ見に来てせーいかいだった!俺もまーぜーて!」
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