第6章 VS感情
17 事件の前準備 感情偏
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ここまでの役得がもらえるなんて思ってなかったぞ!?
最初は嫌だった祭りがいまは待ちきれないほど楽しみなっていることに自分で驚きつつ俺は笑った。
「でも原稿終わらなかったら、私と作業してもらうから。ちゃんと終わらせなさい」
「あ、はい」
この頃、夾竹桃がお母さんに見えてきたなんて、本人の前には言えなかった。
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ある事件が急速に加速するのはその夜のことだった。
俺はその時間、二人が帰った後も夾竹桃の原稿を書き進めていた。手元の明かりをつけただ黙々と作業を進める。
作業もなかなか手馴れて、今では最初の半分ほどの時間で目的のものを書き上げることに成功していた。
だが、夾竹桃もそれを見越して、枚数をかなり増やしている。祭りに間に合うかはギリギリか。
こんなことで行けないなんてことになったら俺は一生後悔するだろう。なにせ金髪美少女と和風美人の浴衣デートもどきだぞ!?男として、これは頑張らなければいけない。
意気込みさらに書く速度を上げた、その時だった。
『お前が岡崎 修一で間違いないな』
「・・あ?」
俺以外誰もいないはずの俺の病室になぜか響く透き通ったきれいな女性声。不審に思いつつ辺りを見渡すが、誰もいる様子はない。そもそもこの時間はナース以外誰もいないはずだ。・・ならナースさんか。
「別にナースコール押してないですよ。それか間違って押しました、ごめんなさい」
どこにいるのかわからなかったのでとりあえずドア元を見てそう言った。もし間違えて押していたらとても迷惑だっただろう。しまったかな。
『・・ほう。あまり驚かないのだな。夾竹桃から聞いていたか?』
「あ?もしかしてそっちの人?・・『イ・ウー』だったか?」
夾竹桃の名前が出た瞬間、俺の中でその選択肢しか生まれなかった。おそらく『イ・ウー』の手先かなにかが俺のことを聞きつけて来たのだろう。・・手伝いすぎて、税金もどきでもせびりに来たか?なら今夜から逃亡劇の始まりだな。などと考えていると。
『なるほど。なかなか頭の回りは速いみたいだな。なら、私がここに来た意味はわかるか?』
「・・・げん・・」
俺の原稿の手伝い。
思わず願望を言おうとしてしまい抑える。それだとどんなに嬉しかったか。
二人でやれば完全に祭りに間に合う。・・だが、そんなわけはない。それは理解していた。
理子あたりから聞いてヘルプを頼みにきたか、もしくは本当に税金せびりか。
だが夾竹桃の名前が出たし、呼び捨てにしてたってことはおそらく夾竹桃と対等の立場のやつだろう。とすると手伝いが妥当か。・・だが、そう決めるにもヒントが少なすぎる。
「・・わからん、さっ
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