第6章 VS感情
17 事件の前準備 感情偏
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期に花火大会ね。珍しいこともするもんだな」
「だよねー、でもほら見てみて!屋台とかもいっぱいあるみたいだよ!楽しいって絶対!きょーちゃんも一緒に、ね!?」
もうすでにテンションだだ上がりの理子。病室内をくるくると馳け廻る姿を見ながら、俺は、いや、俺と夾竹桃は首を横に振った
「「いやだ(よ)」」
「えぇー!?なんでー!?」
俺たちが断るとは思ってなかったのだろう。理子が身を乗り出して俺と目を合わせてきた。ち、近い近い。
「あのな、お祭り行ったら買うものといえば?」
「え?焼きそばとかたこ焼きとか、あ、あとわたがし?」
「値段は?」
「えっと、多分だいたい400円くらいかな」
理子の反応に俺はうんうんと頷く。そして理子の両肩を強く握った。
「ひゃっ!?」
「理子いいか!!あの屋台の焼きそばは普通に買えば50円なんだ!たこ焼きなんてあの値段なら家でその倍は食えるわ!」
「・・・私はただ騒がしい場所が嫌いなだけよ。こんなセコイことは考えてないから」
なぜかビクッとした理子に俺は真剣に叫んだ。
そう、お祭りなどで買う食材や物は原価の何倍にしても許されるというダメな掟がある。中には宝くじのくせに一位の入ってないものさえある。そのくせに、一回500円だと!?ふざけんな!
「・・しゅーちゃんもきょーちゃんも。祭り行こうよって言ってその返しはない!・・はぁ、理子、時々自分のことバカなんじゃないかって本当に思うよ」
先ほどまで少し顔を紅くしていたくせに、一気に真顔になる理子。あ、あれ?なんか今日がいままでで一番引かれてないか?
というかどうして自分なんだ?・・え、さっぱりわからん。
「あのねーしゅーちゃん!お祭りの時は、お金のことなんて一切気にしないものなんだよ!しゅーちゃんのセコさは知ってるけど、ここまでくると引く!」
「う、だ、だけどよ、俺今本当に金なくてだな・・」
「きょーちゃんからもらってるんじゃないの?」
「そうね。一応依頼を完了するたびに払ってるけど」
夾竹桃の言う通り、たしかに貰ってはいるのよ。
いるんだが、俺の手元に、金はないんだ。
ちなみにバスジャック事件の借金はきちんと理子が代わりに払ってくれているから問題ない。なので夾竹桃からの報酬は全てもらっている・・のだが
「じ、実はさ・・俺ここの病院抜け出しまくってるだろ?だから特別に半月分の入院費先払いでって言われた。・・・報酬、スッカラカン」
「「・・・・」」
つい先日言われ、問答無用のオーラを出した先生に、俺は抵抗することもできず(というより俺が悪いから文句も言えないのだ)、サインを書いた。後日きちんとお金は下されていたのだが、通帳を確認して度肝を抜いたものだ。
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