第6章 VS感情
16 一番いい終わらせ方
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。
そうやって同人誌制作の楽しさを理解し始めたとき、夾竹桃がそういえばと話し始めた
「あなた、私のタンスから持って行ったアレ、使かったの?」
「ああ、いや。まだあるぜ。返そうか?」
夾竹桃には飛行機強奪時、あるものを借りていたのだが、GBとの戦いもなかったので結局使わなかったのだ。
「いいわ別に。それ、使うなら持ってていいわよ」
「お、サンクス」
貰えるものはもらっておく主義だ。貧乏タダに弱し。まあタダより高いものはないとも言うがな。だから
「で?俺はなにしたらいいんだ」
もちろんやることはやる。借りたか後で言われたら面倒だ。
「時々同人誌作業手伝ってくれればいいわ。ちゃんと報酬も払うし。どうかしら?」
「おお。いいぜ。お前の手伝い楽しいし、理子のより危険ないし、喜んでやるわ」
「ああ理子ね・・今回はかなり重症みたいだけど」
「そーなの、まじ勘弁してほしーの!聞いてくれる俺の苦労!」
「くす、まあ作業しながら聞いてあげる」
夾竹桃は楽しそうに笑いながらそう言ってくれた。こいつ奥さんにしたら、一日中愚痴聞いてくれるかもな。・・すげえうやらましいなそいつ。変わってくれ頼むから。
結局、夾竹桃は夜遅くまで俺の病室で作業していた。
「じゃあ、あとベタ塗りだけよろしくね。また二日後に取りにくるわ」
「ああ、おやすみ、夾竹桃」
「ええ」
俺は終わらなかった絵を眺め、思う。・・同人誌制作、辛い。
いくら塗っても終わらない同人誌の闇を実感しつつ、俺は作業を再開した。
ーーーーーーーーーーー
「ねえーしゅーちゃーん。お話ししよーよ」
「俺今超忙しい!」
あれから二日経ち、俺は焦っていた。手元には丁寧に塗らないとやり直しの紙が数枚と、手汗でベタベタになった筆だ。
お、終わらないんだがベタ塗り。な、なにこれすげー時間かかるんだけど。二日って聞き間違いじゃないのか、あと二日くれ!
などと、言っても夾竹桃は聞き耳持たずだ。今日の夜までに終わらせないとなにされるかわかったものじゃない。
「ねーねー、しゅーちゃーん」
「ちょ、理子本当すまん、本当に今余裕ねー!!」
焦りつつ丁寧になど俺の最も不得意とする分野だ。やばい、やばい!
「理子がいないからって夾竹桃呼ぶからだよ〜。なんで呼ぶかな〜バカ修一」
なぜか棘のある言い方で俺の頬を突いてくる理子。お前がいなくて寂しかった、なんて言えない。恥ずいし。
「いいから理子も手伝ってくれよ。夾竹桃に聞いたぞ、お前もこれ時々手伝ってんだろ?」
「えーべっつにー理子、夾竹桃に頼まれてないしー。修一のお願い聞いてもなー」
ぶすっと頬を膨らませ
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