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サイカイのやりかた #毎週投稿
第6章 VS感情
16 一番いい終わらせ方
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る。サブイベントでもいいからキス、してみたかったかも。キ・・キスか、修一と、キス・・・うへへ

近くを通る老人や看護師さんがこっちを見て怪訝そうな顔をしている。でもそんなことも気にしてられない。

これが恋・・すごい、本当に理子が理子じゃない。男を惚れさせるなんて簡単なことのはずなのに・・簡単だった、はずなのにぃ!


『ダメだよ〜理子セコイ人は無理だってば〜!』


(はぁ・・訳分からなくなってまたダメって言っちゃった・・あれじゃ修一から告白なんてしてこなくなるじゃん・・うう、私のバカ)


ズーン・・と壁に頭を預けて落ち込むあたし。周囲の人が本当にどうしたとこちらを立ち止まって見ていることすら、今の私には関係ないことだった。

『俺はEランクとして馬鹿にされてばっかで仲良くしてくれる女どころか男友達すらいなかったって。それくらい仲良いのはお前くらいだっつの』

「ふへ、ふへへへへ・・・」

思いだしてだらしなく笑ってしまう。自分の頬をプ二プ二と持ち上げいじる。そっかぁ、私って彼女っぽいくらいまでに仲の良いやつなんだぁ、しかも、私だけ・・・『だけ』・・ふへへ・・。

そして

(また聞けなかったなぁ、修一の好きなもの)

また落ち込み座り込む。
実は修一が起きてから五日間、ほとんど行っているにも関わらず、修一の好みを知ることが出来ていないのだ。好きな食べ物とか行きたい場所とか好きな本とかアニメとかゲームとか。

「しゅーちゃんなにが好きなの?」の言葉がどうしても出せない。何度か聞こうとしたが、口が思った以上に重かった。
こんなこと、今まで一度もなかったのに。

周りがガヤガヤとうるさいがそんなこと気にしてすらいなかった。
「もしかして彼氏にフラれたとかかの?」とか「それかお亡くなりになったとかですかね・・」なんて声も聞こえてくるがどうでもいい。
そんなことより、実は、今日は一つだけ、収穫があった。

『ポテチは九州しょうゆが一番なんだよ金髪ギャル。そろそろ持ってきやがれ』

修一は九州しょうゆが好き。たったそれだけのことなのに凄く嬉しい。好きな人のことなら何でも知りたくなるというのは漫画だけの世界と思っていたがそんなことなかった。なんならお気に入りのノートに書いてもいいくらいだ。

「・・とりあえず、九州しょうゆ、探そっかな」

「「!?!?」」

そう思い立ち上がる。パソコンのある自分の自室へと向かおうと歩き始める。

「お、おじょうさん!彼氏さんのことは残念じゃと思うが、じ、自殺はやめるべきじゃよ!」

「・・は?」

その後、なぜか私は看護師に連れて行かれ、自殺することのデメリットについて色々と言われてしまった。・・意味がわからない。どうして?


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