第6章 VS感情
16 一番いい終わらせ方
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を、
本気で、信頼してくれているんだ、と。
前から思っていた。理子の過去について何も聞いてこないのはなぜか。
どうして修一は全く聞いてこなかったのか。それが、いまなら理解できる。
修一は、私のことを本気で信頼してくれている。だから私から話してくれるまでずっと待って、待ちながら心配して、信頼してくれていたんだ。
自然と、私の目から涙がこぼれる。鼻水が流れても気にしなかった。下唇を強く噛んで、声を押し殺し泣く。
そしてもう一つ、気づいた。
修一は
キンジすらも救おうとしているんだ。
キンジは見るからに焦っている。私が彼の兄を殺したと思っているから、自分のHSSという才能に任せて、全てを壊そうとしていた。それが最も危険な行為であることを、修一は知っている。
だからこそ
自分を犠牲にしてまで、気づかせたんだ。
でも、そんなの結果論だ!大バカ過ぎるよ修一!!
キンジもこの説得には堪えたようで目を見開いた。
『・・岡崎、すまん!俺が焦ったばっかりに、本当に悪い!!いまナースコール押すから!』
『しゅ、修一!?ど、どうしたのよ!?ねぇキンジ、何があったの!?』
『いまはそんなことより岡崎だ!手伝えアリア!』
ようやく入ってきたアリアに手伝わせ、痛みで苦しむ修一のケアをしていた。
それから医者が来て治療し終えるまで1時間、あたしはロッカーの中で自分のパニックになった感情、溢れ流れる涙を抑えることが出来ず、ずっとその光景を見続けていた。
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Riko side2
『じゃあ、あたし達帰るわね』
『・・ほんと、悪かったな岡崎。俺お前のこと誤解してたみたいだ。これから理子とその裏の奴を探すことにする。情報はお前にちゃんと伝えるから安心してくれ』
『おう、気にすんな』
2人はそれぞれそう言って去って行った。修一もようやく落ち着いたようで天井をじっと見ていた。
「修一・・・!!」
「おお、理子。よかったな、バレなくてよ〜。いやーお前が開けないかって焦った焦った」
「バカ!なんであんなこと!キンジだって本当に振り下ろす気なんて!」
「ま、なかっただろうな。あいつの謝ってるとこ見たらいい奴ってのは分かった」
「だからって・・」
「だからこそだよ。キンジも悪いやつじゃないし、理子だってそうだし。そいつらが争うってのもおかしな話だろ?だったらこれが、一番いい終わらせ方ってことだ。いやーうまくいってよかったよかった」
一番いい終わらせ方。修一から見るとこれが一番いい終わらせ方だったのだろう。確かに誰も傷つかず、誰も何も失っていない。だけど、
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