第6章 VS感情
16 一番いい終わらせ方
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行きやがる。その間に色んな話をしてくれるからこちらとしては来てくれることは嬉しいのだが。・・本当に暇なのか?
「ポロポロこぼすなよ、俺が怒られるんだからな。というかポテチは九州しょうゆが一番なんだよ金髪ギャル。そろそろ持ってきやがれ」
そう言いいながら顔を理子に近づけた。
「とか言いながら口開けてるじゃん、ほい」
「ん。コンソメがマズイとは言ってないだろ」
個人的な感想だが、入院中の飯はどうも美味しくない。今日の朝飯も魚とおかゆのようなご飯、味噌汁、ヤクルトだった。全部食べたが満腹にはならなかった。ちなみにヤクルトは理子が毎回グビッと飲み干し腰に手を当て「ぷはぁー」なんて言ってやがる。おっさんか。
「というかさ、しゅーちゃん九州しょうゆってなに?そんな名前のポテチあるの?」
「あ?お前知らないの・・ってああそうか。あれ九州限定なんだ。ああ〜だから『九州』しょうゆ味なのね。なるへそ」
「ちょっと、自分だけ理解し出さないでさ、理子にも教えて?」
理子に九州しょうゆの良さを1から説明してやった。もともとは長崎出身だから九州しょうゆがコンビニにあったりするのが当たり前だったからこその盲点だった。その話間理子は楽しそうに頷いたり、「へー」だの「すごいすごい」だの相槌を打ってくれる。それは全く問題ないのだが。
やっぱなんか違う・・よな?
あの下山後からなにか違和感があるのだ。
なんというか理子が理子じゃないような?いや、逆にこれが本当の素の理子なのか?どこが変わったと聞かれて答えることは出来ないのだが、それでもなにか違う気がする。雰囲気というか、表情というか。そう、表情が少し柔らかくなったようにも感じた。
いつもは世間に振る舞うような、アルバイトでやる営業スマイルのような雰囲気の笑い方だったのに、今ではそんなことはない。本当に楽しそうに聞いてやがる。・・一体どーしたんだろう。何かあったのか?
いい方向に変わったから気にすることではないのか?
「あ、ほいしゅーちゃん、最後のポテチ」
「さんきゅ」
理子が袋から小さいポテチを取り出すと俺の口に持ってこようーーとして
・・・サッ
「おい、なに小学生みたいなイタズラしてんだよ」
理子は俺が口を閉じる前に手を自分の元へ戻した。もちろんポテチは俺の口には入っていない。まだ理子の手の中だ。こいつ・・
そう思って理子の顔を見ると、イタズラ成功のようなニヤニヤした顔ーー
ではなく、その小さなポテチと俺の顔をチラチラと何度も交互に見ている。そして、おお!と閃いた顔をした。
・・?
「どうした?そんなに食いたいなら食って良いぞ」
「くふ。ねー、しゅーちゃん?最後の一つだし、ちょーっと理子がドキドキで
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