第6章 VS感情
16 一番いい終わらせ方
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「・・はぁ」
「しゅーちゃん、どうして落ち込んでるの?」
「明日からアドシアードの準備期間だろ。俺、アドシアードにいい思い出ないの」
「ああ、そっかしゅーちゃん彼女いないもんね。年齢=彼女いない歴の残念な人だもんね」
「お前さ、ほんと性格悪ー」
「はい、しゅーちゃん、ポテチ」
「うむ・・うまい。おかわり」
「ほい」
口に突っ込まれたポテチをまるでヤギのように食べる。うーむ、今日はコンソメか。できれば九州しょうゆがよかったな。などと思いつつも結局は美味しいのでもう一つ食べる
そろそろ状況を説明していこうか。
あの下山から約一週間が過ぎている。俺が目を覚ましたのはあれから二日後の午後だった。目を覚ました時に理子が飛びついて来たからよく覚えている。
俺の足のことだが、理子の応急手当のおかげで半月ほどで回復するらしい。聞くところによるとどこかの巫女さんの治療もあったらしい。今度名前聞いてお礼を言いに行こう。
もちろん半月は外出禁止を受けた。まあ実際ジンジンと痛むし、夜に痛くて眠れない時もあるから抜け出す気もないが。
いつも治療してくれるお医者さんが「君はどうしたらそんなに怪我を悪化させて戻ってくるのかね」と困った顔をしていたのをまだ覚えている。どうやら俺はここの問題児として認定されてしまったようだ。
だがそのおかげで俺の真面目な学園生活は終わったのだった。自分の不幸さに気分を落としたものだ。留年は避けられないだろうし、武偵としての将来性がないから勉学を頑張っていたのにこれではもうダメだろう・・なんて最初の三日間ほどは本気で後悔したものだ。
だが、この生活、慣れると案外悪くないのだ。手元には理子が持ってきたゲームがある。暇だから何か貸してくれと頼むと目を輝かせながら様々なゲームを持ってきやがった。最初は暇つぶしにと始めたゲームが
今や、寝る間も惜しんでキャラの強化に勤しんでいた。キャラのレベルを上げダンジョンに突入、クイズに正解すると自分のモンスターが敵モンスターを倒していくゲームなのだが。これが中々に面白い。
しかもここは病院。寝ていないとダメなのだ。なんて素敵な空間だろうか病室。
まあしかし、ゲームをやめて改めて考えるとやはり将来的にはかなりマズイ。就職が困難になる。そしてまたどうしてこうなったんだと考える。俺はEランク高校生として、自分のできることを精一杯やろうってしてたはずなのに。
それもこれも
「あむ。あーやっぱりポテチはコンソメだよねー?」
この金髪ギャルビッチが余計な依頼を次から次へと持ってくるからだ。こいつと出会ってから生傷しか増えない。
当の本人は、ほぼ毎日ここを訪れては目の前で菓子をバリボリ食い部屋を汚くして帰って
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