第5章 VS???
15 峰 理子の気持ち
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「・・・っ」
木々から差し込まれる光で目が覚めた。あの後森の中に突っ込むように落ちたあと、朝まで気を失っていたらしい。
運良く枝などに刺さることなくそのまま地面に落下したようだ。
体中が痛むが、なんとか生きている。理子のパラシュート操作のおかげか。
「そうだ理子は・・」
周りを見渡すと、パラシュートが木に絡まって、まるで操り人形のような形で宙に浮き、気を失っている理子を見つけた。俺は焦って木に登る。もしもパラシュートの紐が首に巻き付いていたりしたら大変だ。
理子の元まで登り、首に紐が巻き付いていないことを確認し安堵しつつ、理子が落ちないように気をつけながら体に絡まった紐を外していく。すべて外すと抱きかかえて木から飛び降りた。
(ーーッ!!)
だが人間二人分の体重を支えられるほど、俺の足にはもう力がなかった。着地した瞬間、二人分の体重を支えきれず後ろに倒れてしまう。理子を横に寝かせたあとすぐさま両手で左足を強く抑える。血が足を流れるたびにズキズキと痛む。歯を食いしばり目を強くつぶり、はっはっと小刻みに呼吸をすることで痛みを和らげようとするが上手くいかない。左足はまるで自分の足じゃないように言うことを聞かなくなっていた。
五分ほど格闘し、ようやく落ち着いてきた。足を延ばして楽な姿勢で座る。足の状態を確認すると足の皿の部分が青黒く染まり、少しだけ位置がずれている。重症であることを確認し、これ以上見ないためにスーツのズボンを切り取って、応急のテーピングを施す。
「・・・ん」
「おお、起きたか。おはよ」
「おはよう・・?・・・ここって」
テーピングが終わった時、理子が目を覚ました。周りの木々を見て昨日の状況を確認している。まだ寝ぼけているよでぼーっとしていた。どうやら朝は弱いらしい。
「・・ああ、そっかぁ。生きてたんだね、理子達」
「ま、なんとかな。ほら、上着」
「・・あ。・・ありがと」
理子に着ていた上着を投げる。パラシュートに制服を使った理子は今も下着姿だった。それに気づいた理子も顔を紅くしながら、その上着を羽織る。
「で、ここどこだろうな?森のなかってこと以外何もわかんめえよ」
理子が変な飛行機操作してたし、降りた場所もおそらく考えてなかったはずだ。だったらー
「飛行機で飛んだ距離と降りた場所からして長野の高妻山が妥当だろうね。それも結構高い場所にいるみたい。まだ雪が残ってるし」
確かに少し先に雪が葉の上に積もっている部分が見えた。
どうやら降りた場所もきちんと確認していたようだ。思わずすげぇと声を出してしまう。
「・・お前そんなこともわかるわけ?」
「まあね。理子結構頭いいんだよ?」
「自分で言う
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