第5章 VS???
14 事件の終結と、さらなる危機
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ジが来るはずもなく、理子は爆弾に囲まれた中に背中を合わせ、物思いにふける。これからのこと、これまでのこと、そして
(あいつ・・大丈夫、かな)
セコ男の顔が頭に浮かんできた。ハッと気づいて顔を両手で思いっきり叩き、その顔を頭から消す。あいつには酷いことをした。それはあいつ自身も気づいたんだろう、最後の会話中に目つきが変わったのをしっかりと見た。あれは理子を武偵殺しと証明したときの目と同じだ。あいつはああ見えて意外と頭のキレるやつだから気づいていてもおかしくない。だからこそ、もう普通に話すことなんてできないんだ。あっちも理子のこと大嫌いになったはずだろうし。・・こうやって思い出すことは、なんか未練があるみたいで嫌なのに。どうした理子。らしくないじゃないか。
アリアの母を武偵殺しとして警察に捕まえさせたときは、こういう感情は湧かなかった。ただ、アリアの目を確実に『イ・ウー』に向けるために仕向けただけ。それだけのために一人の人生を滅茶苦茶にすることすら厭わなかったのに。
いま、たった一人のEランクザコ武偵に嫌われることを嫌がっている自分がいた。
あいつ、結構ひどい怪我してたなぁ。やっぱアリアと戦わせるのは・・・ってまた。
いつの間にかまた考えてしまっていたことに気づきもう一度頬を叩く。どうして出て来るんだあいつは、もう、会うこともないし、あっちだって・・。
「狭い飛行機の中どこに行こうっていうんだいポリスちゃん?」
バーの入り口からキンジがHSS口調で入ってきた。アリアはいないが、恐らく飛行機の操縦席にでも向かったのだろう。ま、理子が動かしてるってわかったらそうするよね。
さてっと、しみったれたのももう終わり。敵も来たし、さっさと終わらせて帰ろっと!見たいアニメもあるしね!
「くふ、やっと来たねキンジ。それ以上は近づかないほうがいいよ」
「・・爆弾か!?」
「ご存じのとおり、私武偵殺しは爆弾使いですから」
スカートを持ち上げ頭を下げる。
・・・そういえば、あいつにアニメ教える約束してたっけ。あいつもなんだかんだ言いながらちょっと楽しみににしてたなぁ・・・ってああ、また・・
「ね、ねえキンジ、『イ・ウー』に来ない?この世の天国だよ。それに、『イ・ウー』には、あなたのお兄さんもいるし」
頭の中で何も考えないようにキンジとの会話に集中しようとした。本当にキンジをこっちに引き込む気はないが、話が逸らせるならなんでもいい。
「・・理子、あまり俺を怒らせないでくれ」
理子のほうはあのバカと喧嘩しまくってたからもう満腹でーす。・・・あっはは。ああ、もう駄目だ。いくらやめようと思ってもあいつのことが頭から離れない。・・はあ、わかった自分に素直になろう。あたしは・・
「じゃ、
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