第5章 VS???
14 事件の終結と、さらなる危機
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ったのだけど
こいつは、俺が武偵殺しとしてアリア達に捕まるように仕向けていたんだろう。
いま思えば変な話だ。USB刺しに何十とある部屋の中のひとつに入ったらそこにたまたまアリアが来るなんて。本当はUSBなんてのはただのエサで、アリアと鉢合わせさせるのが目的だったと。そこで俺がアリアに倒されて捕ってる隙に襲撃してもいいし、もし俺が逃げ切ったらバーの近くで待機させ、変装した理子とアリアの決着がつき次第、自分は逃げ出して戦っていたのは岡崎修一だったということにすれば、理子が疑われることはない。仮に俺が上手くアリア達から逃げられたとしても、その後警察の調べで偽名で乗った俺が疑われ、逮捕されてしまう。
まあつまり簡単に言うと
俺を騙して、理子の影武者にしようとしたってことだ。
・・・ま、そうだよな。そんなことじゃなきゃ、俺みたいなEランクを仲間にしようなんて思わないだろうし、納得納得。
なるほどね。
「じゃ俺の仕事もここまでだな。もうこれ以上依頼は受けないぞ」
作戦がわかった以上、こいつの近くにいると危ない。またなにか俺を本物の武偵殺しにしようという作戦があるかもしれない。
「大丈夫。もうこれで最後。ここでアリアを倒して、理子が理子であることを証明するんだ」
・・?何を言っているのかさっぱりわからない。が、ここで深く聞いてもしょうがないだろう。アリアに執着する理由の一つのことだろうし、触らぬ神にたたりなし。もうこれ以上の詮索はやめとくのが自分の危険を回避する一番の手だ。
「じゃ、俺は豪華な風呂をまた満喫してくるわ。ま、がんばれよ」
俺はもう関わることはやめにする。こいつはコイツでいろいろと複雑な思いのなかで戦ってるんだ。一人で戦いたいならもう止めない。それに、仮説通りなら、こいつの望む通りのやり方に従ったふりしたほうがよさそうだ。
よさそう、なのだが、
なんだ、この喉に魚の骨が刺さったような変な違和感。
理子はそんな俺の変化に気づかず、俺の近くまでやって来て
「・・うん、ありがとね、しゅーちゃん
ばいばい」
そう言って手を振ると、俺の横を通り過ぎてアリア達を追いかけていった。
俺はそれを横に見て・・ため息をつく。
引っかかっていたものがなんだったのか、わかってしまったからだ。
そう、さきほどの俺の仮説が正しいとすれば、理子の行動にはおかしな点がいくつもある。またいろいろと矛盾しているんだ。そこがどういう意味になるのかは理解できていないが、まだ理子が裏切ったとは考えづらくなった。
それと
一瞬さみしそうな表情で手を振るこいつを、俺は見逃さなかった。・・いや見逃せなかったのか。なんで最後に
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