第3章 VS HERO
8.事件の前準備
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アがふぅと息を吐くとこちらにしゃがみ込んだ。
「ねえ、もうやめない?武術を学びたいってのはわかったから、怪我を直してからにしましょうよ。今やってもあまり上達しないどころか、怪我が酷くなるわよ」
俺はアリアが戻って来たその瞬間までなにも要件を見つけることができず、つい「俺に武術を教えてくれないか?」なんて言ってしまった。
実際、武術も教えて欲しかったからいい案だと思ったが…たしかにアリアの言う通りいまするべきじゃないな、これ。アリアからの攻撃を受けるたびに撃たれていた腕と足に激痛が走る。
もちろん途中でやめて、そこからほかのことをすればよかったのだが…正直
(すげぇ…これがSランク。戦い方を変えて殴ってみても全然当たらねぇ…しかも俺の腕と足にはほとんど痛みがないように手加減もされてやがる…す、げえ)
俺はSランクの格闘技術に魅了されていた。
痛みももちろんあるが、それ以上にもっとこいつの力を見てみたいという好奇心に駆り立てられてしまった。
昔剣道をやっていたときもそうだった。勝てない敵の技術に魅了されたとき、俺は時間も忘れてそいつのことをじっと見てしまう。
昔、県大会に準優勝したときも、優勝したあいつの剣技を見てたっけ。懐かしいな、この感覚。
「いや、まだやろうぜアリア。もっとお前の技見せろ」
俺はそう言って、アリアの顔に向けて拳を振るう。アリアは、はぁとため息をついてその拳を避ける。
(この後、こいつは多分ーー!!)
四時間。付き合ってくれたアリアには心底感謝してるが、そのアリアの癖が、見えた…はず!
俺は避けつつ俺の懐に入ったアリアの拳を右に避けつつ、右足で蹴りを振る。ーーだがそれも一歩引いて避けられる。そしてそのままこいつは
(左に回って左フック!!)
それをわかった状態でアリアが左に回る前に逆に右に回って足を引っかける。
「ーーー!?やるわね修一!!」
だがそれですら足を寸で避け、俺の顔面に蹴りを放った。俺はそれを避けることができず、吹っ飛んでしまった。
「…はぁ…はぁ…」
俺は立ち上がることができず、そのまま寝っころがってしまう。流石に疲れた。
「最後、ああ来るとは思わなかったわよ…やるじゃない」
そこにまだ元気なアリアがやって来て俺に手を差し出してくれた。
「まあ、こんだけ付き合ってくれてんだ。あれだけ見せてくれれば動きを予想くらいはできる」
「へぇ…あたしの動きを、ね」
立たせてくれたアリアに礼を言いつつ首を鳴らす。やっぱ今のままじゃ体術でも勝てないか。
「確かにあんたは弱い。でも、観察眼は結構いけてると思うわ。IQテストでもしたらいい結果が出るんじゃないかしら」
「んなもん興味ないからいーよ。それより
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