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ドラゴンクエストX〜紡がれし三つの刻〜正式メンバー版
二の刻・青年期前半
第三十話「受け継がれる遺志と剣」
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に旅を進める為の道しるべがあると聞いたんだ。何か知っている事があるんなら教えてくれよ」
「そうじゃな、立派に成長したお前にならもう教えても良いじゃろう。パパス殿が世界を旅して探していたのは『勇者』、そして『天空の装備』じゃ」
「天空の装備?」
「そうじゃ、嘗て世界を救ったと言われる導かれし者達。そして彼等を率いた者こそが天空の勇者。天空の装備とは『兜』『鎧』『盾』『剣』からなる勇者のみが身に纏えるという武器、防具の事。パパス殿はその内の一つを探し出してこの村の洞窟の奥に隠したとの事じゃ」
「親父があの洞窟に?でも親父が洞窟に潜ったんなら薬師のおっちゃんも親父が見つけた筈だけど」
リュカは子供の頃に洞窟内を探検した事を思い出すが、薬師を見つけたのはリュカ達でパパスでは無い。
「ほっほっほっ、子供が容易く見つけられる場所に大事な物を隠す訳なかろう。筏を使わなければ辿り着けぬ最奥の更に地下にワシとパパス殿しか知らぬ秘密の隠し部屋があるんじゃよ」
「なるほど」
「筏は幸いにも隠しておいたお陰で壊されなかったからの、こうしてお前が帰って来たのも何かの掲示じゃろう。行って来るがええ」
そう言われたリュカは小さな筏だった事もありヘンリー、そして以前にも一緒に潜った事があるスラリンとピエールの四人で行く事になった。
―◇◆◇―
子供の頃に通った通路を横目に見ながら筏で水路を進んで行くと小さな小島に地下へと下りる階段があり、お互いの顔を見合って頷くとゆっくりと下りて行く。
子供の時にはさほど不思議には思わなかったが、洞窟の壁や天井には光る苔の様な物が生えていて進むのには支障は無かった。
「この洞窟には魔物は住んでいないのか?」
「いや、子供の頃に潜った時には結構いたぞ」
不思議と此方側の洞窟には魔物は居ない様で戦いに足を止められる事は無く、リュカは無事最下層にあった隠し部屋に辿り着き、扉を開くとギギギィ〜と錆び付いた蝶番が音を立て、その部屋の真ん中辺りに布に包まれた一振りの剣が台座に突き立っていた。
リュカがその剣を良く見ようと近づくと傍にあった机の上に《リュカへ》と宛名が書かれた封書が置かれていたのでそれを手に取り中の手紙を読み出した。
《リュカ、我が息子よ。お前がこの手紙を読んでいると言う事は私はもはやこの世には居ないという事なのだろう。お前も気付いているだろうが私が世界を旅していたのは邪悪なる存在に攫われた我が妻マーサを探し出す為だったのだ。お前の母マーサには暴れ回る魔物の心さえ癒し大人しくさせる不思議な力があった。だが同時にその力は魔界にも通じる物だったらしい。どれ程探し回っても見つから無いと言う事はおそらくマーサはその力ゆえに魔界へと連れ去られたと見て間違いは無い。リュカよ、伝説の勇者を探し出
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