第13話(改2.7)<食堂で挨拶>
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
「……あれは悪い子じゃないよな」
-------------------------------
マイ「艦これ」「みほちん」
:第13話(改2.7)<食堂で挨拶>
-------------------------------
「島風か」
私は繰り返し確認する。
海軍の艦娘関係者で、その名を知らない者は居ない。とにかく脚が速いことが、いつも強調される。
だが「気が強い」とか「自信過剰」など芳しくない噂も少なくない。
そんな彼女は同じ艦娘の中でも敢えて他と交わろうとしない。いわゆる独立独歩だ。
だから他の艦娘からの評判もふるわない。実際、艦娘に理解を示す海軍士官の中でも彼女だけは苦手だと敬遠する者も多い。
祥高さんは言った。
「驚かれましたか?」
「そうだね。本物は初めてだよ」
正直、私自身『有名』な艦娘の出現に戸惑っていた。
だが直感的に、彼女とは上手くやっていけるのではないか? という感触もあった。
私は秘書艦に言った。
「島風の激しさは、それだけ素直な性格、つまり裏表がないのだろう?」
「……」
祥高さんは無言だった。
私は続けた。
「もし本当に彼女に嫌われたのなら電報だけ置いて行っただろう」
島風の台詞が頭の中に響いた。
『あなたが新しい提督ね、よろしくぅ』
そして呟くように反芻した。
「……悪い子じゃないよな」
そのとき祥高さんも微笑んだ。
「はい」
秘書艦も私の気持ちは察してくれたようだ。
そこで私は改めて聞く。
「電報の内容は?」
「はい」
届いた文面は2通あった。
一つは海軍省から。彼女は読み上げる。
「こたび貴殿が受けた敵の攻撃内容について詳しく聞きたい。従い今週半ば海軍省軍令部の情報将校を赴かせる。なお呉と神戸鎮守府の作戦参謀も同行予定」
「さすが本省、情報が早いな」
「はい」
彼女も頷く。
「私が第一報を入れました」
「なるほど」
仕事が早い。
「着任早々、本省に他の鎮守府の参謀まで来るとは面倒だな」
「……」
彼女の反応は無かった。
「もう一通は?」
「これは神戸から司令への親展です」
「あぁ」
少し驚いた私は彼女から電報を受け取ると直ぐに開いた。
それは神戸鎮守府にいる海軍兵学校時代の同期からだった。彼は私より先に提督になり既に戦果をガンガン上げている。
電報の内容は簡単だった。
『今度うちの鎮守府から部下が行くから宜しく頼む』
……そうか。今週、視察に来る神戸の人間は彼の部下なのか。
「相変わらずアッサリ・スッキリな奴だな」
私は呟いた。まあ、そこが良いんだが。
「あれ?」
電報を閉じようとして追伸
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ