暁 〜小説投稿サイト〜
とある3人のデート・ア・ライブ
第十章 仮想世界
第12話 二人の『或守』の正体
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嫌らしいていうレベルではない。

鞠奈「10、9、8……」

上条「しかも時間制限ありッ!?貴方は鬼ですか!?」

と言っている間にもカウントダウンは進んでいく。上条が考え出した頃にはもう5秒を切っていた。

上条「(いや焦るな俺。こんなクイズを出してきたということは俺でも解ける問題のはずだ。冷静になって考えれば――)」

鞠奈「はい、時間切れー」

冷静に考えている間に考える猶予は終わってしまったようだ。

流石に早い。

上条「……鞠奈、さては俺に答えさせる気なんてなかったな!?」

鞠奈「うーん?どうしてそう思ったのかなぁ?」

と前に出会ったときのような相手を挑発させる口調で上条の顔をしたから覗き込む。言うまでもないが鞠奈もかなりの美人だ。こんな近くに来られるとさすがの上条でもドキッとしてしまった。

それがバレないように自然な素振りで視線をそらして、鞠奈の質問に答える。

上条「だって上条さん頭悪いし!追試なんて日常茶飯事だし!!留年もしそうになったし!!!」

鞠奈「……それ、キミが真面目に勉強してないだけなんじゃないの?」

上条「……言い返す言葉もございません」

目を細めながら上条を睨み付ける。それに雰囲気で気づいたのか上条の頬には一粒の汗が流れていた。

鞠奈「まあ何でもいいけど。で、質問の答えだけどそれは私がこの世界の閉じ込められたから」

分かるわけがない、と本気でツッコミそうになったが話を脱線させるわけにはいかないので無理矢理押しとどめた。

鞠奈はそんな上条の様子に気づく様子はなく淡々と説明していく。

鞠奈「フラクシナスの強固なプロテクトの僅かな隙間をついて侵入出来たのまではよかったんだけど、そしたら彼女のAIとしての機能が働いてね、この強固な仮想世界の閉じ込められたのよ。流石の私もそれには困ったんだけど、彼女が記憶を無くしてくれたのが幸いしたわ」

上条「うーん……っと?」

鞠奈「だから私は彼女に身体も心も人間としての情報を与えた。そうすればいつか彼女自身にも……ってちゃんと聞いてる?」

上条「おお、聞いてるぞ。明日も晴れるといいな」

鞠奈「え、本当に何の話をしてるの?頭大丈夫?」

上条「あー大丈夫だ」

鞠奈「……本当?」

上条「ああそうだよどうせ上条さんの頭はおかしいですよ!!」

鞠奈「」

勝手に話しを脱線させて勝手に暴走して……突然のことに鞠奈はポカーンとなってしまった。こんな姿をまさか目の前の男に晒してしまうとは鞠奈も思ってなかっただろう。

上条「生憎だが上条さんは一方通行みたいな理解力や頭の良さは持ってないんだ。もう少し分かりやすく教えてくれませんかっていうか教えてくださいお願いします!
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