第十章 仮想世界
第12話 二人の『或守』の正体
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
関係なんだ?お前も人工精霊なのか?」
と上条が言うと、鞠奈はお茶を一口飲んで上条の方を向いた。
鞠奈「上条当麻、君は勘違いしている。いや君だけじゃない……五河士道や精霊達みんな、勘違いしてる」
上条「勘違い?」
鞠奈は真剣な表情で訴えかけてくるが、上条には言っている意味が分からなかった。
勘違いとは一体どういうことなのだろうか?
鞠奈は少しうっとうしそうにしながらも上条の問いの答えた。
鞠奈「まず、<フラクシナス>に侵入してきた人工精霊は私。あっちはただのAIよ」
上条「……は、え?」
鞠奈「は、じゃなくて人工精霊は私であっちはAI。まさかこの距離で聞き取れなかったとか言わないわよね?」
もちろん聞こえていた。聞き逃すはずがない。だが或守の口から告げられたことは自分の前提条件がまるっきり覆された言葉だった。鞠亜の方を人工精霊だと信じて疑わなかった上条は思わず変な声を出してしまった。
上条「え、鞠奈が人工精霊だったのか!?」
鞠奈「さっきからそう言ってるでしょ」
上条「……」
しかし、どうしても違和感が残ってしまう。こう、すんなりと事を受け入れるのには疑問が多い。
鞠奈「……その顔は信じてないでしょ。まさか私を疑ってるの?」
上条「やっぱどうも納得がいかないんだよ。お前が人工精霊だったら鞠亜はどこから来たんだ?」
上条の言葉に鞠奈は「あぁ」と声を漏らした。まろで説明し忘れたと言わんばかりに。
鞠奈「彼女はフラクシナスの管理AIよ」
上条「管理……AI。……?」
鞠奈「そう。ほら、精霊を攻略する時に選択肢が出るでしょ。あれを出しているのが彼女の本当の正体よ」
言われて、少し納得した。鞠亜が本当にフラクシナスの管理AIなのだとしたら鞠亜が愛を知りたがっていたのも辻褄が合う。
しかし、一つの疑問が解決すればまた一つの疑問が浮かんできた。彼女への質問攻めはしばらく終わりそうにない。
上条「じゃああいつは何で実体化できたんだ?AIってもただのデータだろ?」
鞠奈「それは私が与えたの。声も姿も人として存在するための情報もね」
上条「すげぇ。でも何でだ?」
上条は素直に驚いたが彼女と話を進めれば進めるほど疑問は増えていく一方だ。未だに彼女のちゃんとした目的も分かってないというのに。
と、上条の意思をくみ取ったのか、ただ単に真面目な話に飽きたのかは分からないが突然鞠奈はいたずらっ子のような悪い笑みを浮かべて言った。
鞠奈「さてここで問題です。私は何故彼女を実体化させたせしょうか?」
上条「……は、はぁ!?」
突然のクエスチョンの困惑する上条。勉強が苦手な上条にとってこのクエスチョンは
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ