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とある3人のデート・ア・ライブ
第十章 仮想世界
第12話 二人の『或守』の正体
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佐天「いえいえ。でもこれからはもう少し早く帰ってきてください。もうあの空気を味わうのは嫌ですから」

士道「あぁ、そうするよ」

軽く会話して士道もエプロンを着けた。手を洗って料理の手伝いをする。

と、士道がキャベツを切り始めたところで佐天が「あっ」と声を漏らした

士道「ん?どうしたんだ?」

佐天「あの、今日の買い物当番って上条さんですよね?なんで士道さんが持って帰ってきたんですか?」

と佐天が首を傾げながら言うので士道は「あー……」と困ったような声を出した。

士道「何か、突然消えた」

佐天「……はい?」

と佐天が呆気に取られたような声を出すが、士道にはそう答えるしか無かった。実際士道も何が起こったか分かってないからだ。

士道「(まあ、あいつのことだから大丈夫だとは思うけど……)」

それでも上条のことが心配だ。

士道は悪友の無事を祈りながらまたキャベツを切り始めた。



――――
―――
――




同時刻。

高台では一人の女の子と一人の男がベンチで腰掛けていた。

この光景だけ見ればただ男女のカップルがデート帰りによったと思うだろう。

だが、これはそんな生温いものではなかった。

上条「……緑茶でよかったのか?ジュースとかあったのに」

或守「子供扱いしないで。貴方とは違って大人だから」

……いや、まだカップルのような会話を繰り広げていた。

上条はいきなり自分一人を残して全てを話すとか言うのだから何を言われるのかと警戒していたらいきなり「自販機で何か買ってきて」とかいうもんだ。加えてジュースを買ったら自分用に買ったお茶と交換しろという我が儘を言い出す。

上条「(十香達といい、こいつといい、なんで上条さんの周りには自分勝手な女の子が多いんだ?)」

個性豊か、といえば聞こえはいいが、実際個性が強すぎてかなり苦労する。士道の負担は日に日に増えていく一方だ。

上条「(それがキッカケで凜祢が現れたからなぁ……早くこの世界から脱出しないと、また面倒なことになる。そのためには……)」

と自分に言い聞かせて或守の方を向いた。

この女の子が仮想世界の真相を握っているのはほぼほぼ間違いないだろう。だからキッチリとここで全てを聞く必要がある。

上条はジュースを一気飲みして或守に問いかけた。

上条「なあ或守、お前は――」

「その名前で呼ばないで!私にはお父様から貰った『或守鞠奈(あるす まりな)』って名前があるの!」

と黒い或守――もとい鞠奈はムスッとしながら叫んだ。

お父様とは誰だ、と言いそうになるのをグッと押さえてもう一度問うた。

上条「鞠奈、お前は或守――じゃなくて鞠亜とどういう
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