第十章 仮想世界
第12話 二人の『或守』の正体
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
暗い帰り道、士道は両手に重たい買い物袋をぶら下げて歩いていた。
先ほど会った鞠亜に似た少女、突然消えた上条。
分からないことは増える一方だ。まだこの世界から脱出する方法さえ見つからないのに。
士道「ただいまー」
と、士道は重たい荷物に腰を痛めながら帰路についた。
その声を聞いて、士道のもとにはありとあらゆる女の子が集まった。
十香「遅いぞシドー。もうお腹ぺこぺこなのだ!」
十香は顔を膨らませながら士道に言いつけ、
四糸乃「し、心配しました……」
四糸乃はおどおどしながらもホッとし、
狂三「あらあら、また女の子をたぶらかしていたんですの?」
狂三はニヤニヤしながらからかい、
琴里「遅い。一体何してたの?」
琴里は腕を組みながら怒り、
耶倶矢「灼熱の炎が沈みし時までうつつを抜かすとは……眷属としての自覚が足りておらんようだな」
耶倶矢はいつも通りの厨二病を発揮し、
夕弦「釈明。訳を聞きたいです」
夕弦は短く言って眼を細め、
美九「だーりん?いいわけぐらいなら許しますよぉ?」
美九はとびっきりの笑顔で言い、
折紙「士道。浮気は許さない」
折紙は真顔で士道に怒り、
佐天「あ、士道さんおかえりなさい!何かみんなお腹すかせちゃったみたいなんで残り物で軽く適当につくっちゃいましたけど大丈夫ですか?」
佐天はキラキラした笑顔で自分を出迎えてくれた。
佐天さんマジ天使。
士道が遅かったことに怒る精霊達(あと折紙も)とは大違いだ。
士道「佐天さんヘルプミー。本気で助けてください」
と士道は咄嗟に佐天に助けを求めた。
が、同時に女の子の何人かが佐天の方を向き、「お前は何もするな」と目で訴えていた。
佐天は変な汗が出ながらも答えた。
佐天「ま、まあ皆さん落ち着いてくださいよ。言いたいことはそれぞれあると思いますけどまずはご飯にしませんか?私もお腹空いちゃって……」
佐天が言うと、十香のお腹がそれに答えるかのようにグーという音を鳴らした。十香は「むぅ……」と恥ずかしがるが、それがキッカケでピリピリしていた雰囲気が少し落ち着いた。
琴里「そうね。話しは夕飯後でも出来るしね。涙子、作ってくれる?」
佐天「かしこまっ!」
琴里が言って佐天が兵隊の真似事のように手をおでこに当てて答えた。佐天がキッチンの方へ向かい、琴里はリビングのソファの方へと向かった。
すると皆は士道のことから離れ、話題は一瞬で夕飯のことになった。佐天と琴里に釣られるようにリビングに戻っていく。
士道も急いで靴を脱いで買い物袋を手にとってキッチンの方へと向かう。
士道「助かったよ佐天さん」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ