S-1 プロローグ/セイバー
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。この関係は不満か?」
セイバーの驚いた顔をオレは微笑しながら下から覗き見る。セイバーは首を横に振り、笑った。
「ああ、そう言う関係も良いものだな……友人のようで」
「……そうだな」
_その後書物庫にて
「…………友人……か」
不意に漏れてしまった忌々しい言葉に気付き、オレは口を閉ざす。もう二度と自分の口からその単語を出さないようにしていたが、改めて決意した。
世界は移り変わる。
深夜二時 アメリカ 某州
『トウ オマエ オレ マスター?』
アメリカでは名門と名の通っている一族「カインツ」が三人目となるセイバーを召喚した。触媒は一人目のセイバーを召喚したマスターが一瞬目を付けた『黄金の指環』を使ったようで台座に美しくも狂気に満ちたその指環が乗っている。
カインツ家現当主レット・カインツはマスター権限であるサーヴァントのステータスを見て確信する。
_このサーヴァントはステータスでは最強クラス、そして私の調べが当たっているのならこの戦い、私の勝利だ。 あの胡散臭い管理者の言葉を無視して正解だったな。何が『狂戦士で召喚することをお薦めするよ』だ。コレがバーサーカーでなく、知能を持っているのであれば令呪で制御しきれるに決まっているだろう!私はあの「カインツ」の正当なる後継者だ!
レットは右手の甲に浮かび上がっている竜を象った令呪を第三のセイバーに見せ付けながら頷き、微笑しながら口を開く。
「ああ、そうだ。私がお前のマス
そこで言葉は途切れた。頭がセイバーが振るった右手から突き出された魔炎により消し飛ぶ。レット・カインツの人生はサーヴァントを召喚し、マスターであることを確認する最中にサーヴァントに殺された。積み上げてきたモノ、犠牲にしてきた者、それが全てが無駄となった瞬間だった。
『オレ マスター イラナイ』
鱗とも呼べる外套に身を包んだ四人目のセイバーは辺り一帯をまたもや右手から放たれた豪炎によって燃やし尽くし、感覚で察知した生前の宿敵の元へ向かうべく飛び立った。
『マッテイロ オマエ オレ コロス』
直感的に感じ取った一人の宿敵を求め、イレギュラーな存在となった異形の剣士はアメリカの空から姿を瞬く間に姿を消した。
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