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Fate/Heterodoxy
S-1 プロローグ/セイバー
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閉じよ《みたせ》。閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する。
──告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。
誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!」

 風など入ってこない筈の魔術工房に召喚魔方陣を中心に竜巻のように風が巻き起こる。

「……誰が出てくる……」

 風の奔流が収まり、視界が明確になったオレの目の前には190cmはありそうな身長に、白と灰の混ざった長髪、胸元が開いた鎧とそこから見える緑色に輝く紋様。

「サーヴァント、セイバー。召喚に応じ参上した、命を」

 低くも柔らかい声。短い言葉だったが聞くだけで安心できるような、そんな声だった。

「……セイバー、お前がオレのサーヴァントか?」

「ああ、間違いない。俺は貴方に仕えるサーヴァントだ」

「……真名は?」

「……それを今ここで言うことは出来ない」

「わかった。……なら何をしよう」

 オレがセイバーに問い掛ける。セイバーが少し沈黙してから口を開く。

「……今回の聖杯戦争の事についてお互いに持っている情報を共有しよう」

「分かった。なら場所を移動しよう。付いてきてくれ」

 セイバーが頷き、立ち上がる。印象は「寡黙」といった所だ。必要最低限の発言しかしていない。
 オレとセイバーが工房の階段を登り、書物庫兼生活スペースへと移動する。簡素なソファ二つがテーブルを挟み、オレとセイバーが向かい合わせに座る。

「初めに、この聖杯戦争のルールを確認しよう」

 オレは珈琲を出し、最初の情報交換へと移る。

「オレの持っている聖杯戦争のルールは自前のも合わせたら『(セイバー)(アーチャー)(ランサー)(ライダー)(アサシン)(キャスター)(バーサーカー)の七基の英霊(サーヴァント)が聖杯を巡って魔術師(マスター)と共に最後の一人になるまで戦う』なんだが。そこに違いは?」

「……殆ど違うとも言っていいだろう」

 そこは既に分かっていた。数日前の『夢』で明らかに参加するであろう魔術師が多かった。しかし、管理者(キーパー)は歴代に起こった基本的な聖杯戦争のデータのみをオレ達(マスター)に伝えた。恐らくその情報を使ってサーヴァントとコミュニケーションを取れと誘導されたようだった。

「だろうな、なら話してくれ。データなら読み尽くしたがそれでも知らないことが多くあると思うからな」

「……この聖杯戦争は三回の戦争に分けられている」

 セイ
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